ニューヨークで10代の少女が死亡 世界で流行の危険行為「トレインサーフィン」とは 

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地下鉄サーフィンか? ニューヨークの地下鉄で10代の少女が死亡

2025年10月4日深夜、ニューヨーク・ブルックリン区にあるマーシー・アベニュー駅で、10代の少女2人が死亡しているのが見つかりました。

当局の発表や報道によると、死亡したのは18歳と15歳の少女で、現地時間午前3時ごろ、中心街マンハッタン方面から到着した車両の最後尾の屋根上で意識不明の状態で発見され、その場で死亡が確認されました。

近年ニューヨークをはじめとした欧米のSNS上では、若者たちを中心に走行中の地下鉄などの屋根に上ってパフォーマンスを行う「トレインサーフィン」の一種、「地下鉄サーフィンsubway surfing」が流行しており、当局ではその「犠牲者」ではないかと推測されています。

「トレインサーフィン」とは? パフォーマンスで列車の屋根上に

走行中の列車の屋根に上がる理由としては、主に次の3つが考えられるようです。

  • 旅客需要に対し供給が追い付かず、屋根の上も乗車スペースとして活用しなければならない場合
    • 日本でも、終戦直後の買い出し列車の様子として教科書や資料集でも見たことがあると思います
  • 利用者や国民の所得レベルや規律意識が低く、不正な乗車手段として利用される場合
    • 現在でも発展途上国などでみられる光景です 戦前の日本でも、屋根や手すりにぶら下がるなどの光景はよく見られたようです
  • パフォーマンスとして注目を集めることや、スリルを楽しむ場合
    • 今回のケースはこれに該当します

走行中の列車の屋根に上がる行為は、英語では「Train surfing」と呼ばれ、鉄道創成期には当然のように見られた光景だったといいます。

Two teens found dead from subway surfing in NYC: Sources

20世紀になると、車両が大型化し速度も上がったことから、次第に見られなくなった、というよりは困難になりましたが、経済活動の拡大に路線網の整備が追い付かなかった19世紀から20世紀初頭や、世界恐慌など世相が悪化した際には、ヨーロッパやアメリカなど先進諸国でも見られることがありました。

今回問題となっているパフォーマンス目的の「トレインサーフィン」は、「extreme hobby(究極の趣味)」とも呼ばれ、少なくとも1900年ごろには出現していたようで、1904年にはニューヨークの新聞が開通後間もない地下鉄の屋根に上がっていた若者が、橋に衝突して死亡したという記事を伝えています。

1980年代には、旧ソ連を中心とした東欧諸国でトラムサーフィンやトレインサーフィンが流行を始め、同じく1980年代には南アフリカ諸国や南米諸国の若者の間で流行したと記録されています。いずれも社会不安や貧困層を中心に始まったことが特徴ですが、この流れはヨーロッパへも波及し、ドイツではSバーンサーフィンという社会現象も発生したと伝えられています。

2000年代以降、動画サイトやソーシャルメディアの普及とともにこうした行為は一部で組織化され、特にロシアでは列車運行の不安定さに起因する混雑からトレインサーフィンに対して寛容な空気も生まれるようになりました。2011年には、なんと高速鉄道の屋根に上がり長距離を移動する者まで現れるようになっています。

なお、同じ屋根の上の乗車でも、貨物列車に乗車することは英語では「Freighthopping」と呼ばれて区別されており、こちらは21世紀の現在でも不法移民が移動する手段として世界各地で多用されています。

危険なトレインサーフィン 当然犠牲者も

走行中の列車の屋根に上がる行為は、多くの国で当然違法であり、またそれ以前に非常に危険な行為であることに変わりはありません。転落事故や橋、トンネルに衝突する事故のほか、特に高圧を使うことが多い交流電化区間では、放電により電線や電気機器に直接触れなくても感電する事故が発生しています。

モスクワの地下鉄で、警察によって強制的にホームに降ろされるトレインサーファー この手の事案の多発するモスクワでは、2万人ものサーファーがいると言われ、列車の運行に与える影響も小さなものではないという Wikipedia(トレイン・サーフィン)より 

早くからトレインサーフィンが流行したロシアでは、年間100人以上が犠牲になっているというデータも存在します。

ニューヨーク市警は、2024年10月に発生した転落事故以降、警察がドローンによる監視を開始し、発見次第警察官が駆け付ける体制を整備。900回の飛行の結果、9~33歳の144名の命を救ったと発表しています。

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