12系客車が廃車対象に 京都鉄道博物館で、12系のさよなら展示
JR西日本は2024年5月28日、京都鉄道博物館でさよなら展示として『「オハ 12 形」特別展示』を行うと発表しました。
期間は6月27日から7月4日(7月3日は休館)までで、同社の宮原支所に所属する5両すべてが京都鉄道博物館で展示されます。
具体的には、6月27日から7月2日まで、スハフ12 -155、オハ12-346、オハ12-341が展示線で『だいせん』のテールサインとともに展示されます。また残る2両は、スハフ12-129、オハ12-345が「さよなら 12 系スチーム号」として構内線で運行されます。6月27日のみDE10の牽引となりますが、6月28日から7月2日は『SL北びわこ』号の牽引でも活躍したC56-160との組み合わせとなります。
また、最終日となる7月4日には、有火状態のC56-160ととにも5両編成で『SL北びわこ』号を再現した状態で展示される予定ということです。
オハ12-341 オハ12-345 オハ12-346 廃車対象はどれ?
また、この発表の中では、12系客車について「2024 年夏季に廃車予定の「オハ 12 形」を含む宮原支所所属の 12 系客車」と述べられています。
12系客車は1969年(昭和44年)より製造された急行型客車で、当初は万博輸送として計画され、後には旧型客車を置き換える形で急行列車や団体列車として活躍しました。また、一部はローカル輸送改善のため近郊型に改造され、普通列車として活躍した車両もありました。
ひと昔前の夜行列車と言えば、12系や14系座席車が定番で、リクライニングの効く14系が指定席、ボックスシートの12系が自由席といった混結運行もよく見られました。また、大編成を連ねての団体列車として運行される姿もよく見かけたものでした。この他、牽引する機関車を選ばないという利点を生かし、ジョイフルトレインに改造された例もありました。
しかし、603両が製造された12系も、客車列車の減少や老朽化により淘汰が進行し、2024年5月現在在籍するのはJR東日本の13両とJR西日本の5両のみの合わせて18両となっています。
JR東日本の所有する13両のうち、7両は『SLばんえつ物語』用に改造された車両で、オリジナルの姿となっているのはJR東日本高崎車両センターの6両と、JR西日本網干総合車両所宮原支所の5両となっていました。
JR西日本の12系は、定期運用はなくもっぱら団体列車や臨時列車として使用されていましたが、近年は稼働率も下がり、宮原支所の片隅で留置されることが多くなっていました。
今回の発表では、わざわざ「オハ12形」と指定していることから、廃車対象となるのはオハ12に限定されるものと見られます。ただし、3両すべてが廃車となるのか、数両が残るのかは今回の発表では述べられていません。また、スハフ12とオハフ12に関しては、廃車対象として名指しされておらず、訓練運転などでもたびたび使用実績もあることから、ひとまずの廃車は免れる可能性が高そうですが、2両だけでは今後の営業運転はほぼ絶望的と言えそうです。