2024年夏の臨時列車が発表 輸送量回復で本数も増加傾向に
JR各社は2024年5月17日、2024年夏の臨時列車について発表しました。
対象期間は7月1日から9月30日までの92日間で、輸送量がコロナ禍から回復傾向であることも踏まえ、JR東日本では昨年同期間と比べ106本多い6,933本の臨時列車が予定されています。またJR東海では、東海道新幹線で昨年より期間中で2,380本多い35,932本(定期列車含む)の運行が予定されていて、1日当たりの平均運転本数も25本多い391本となるほか、お盆期間となる8月9日~18日には1日平均439本が運行される予定です。
開業後初の夏休みを迎える北陸新幹線『つるぎ』は、接続する『サンダーバード』と合わせてお盆期間中に最大で1日当たり11本が増発されます。
特急『アルプス』 中央本線を夜行運転
さて、2024年夏の臨時列車として注目を集めているのが中央本線・大糸線で新規に設定される特急『アルプス』『はくば』で、『アルプス』は新宿→白馬の片運行、『はくば』は松本―白馬で1往復が運転されます。
このうち、『アルプス』は新宿発23:55、白馬着が6:22で、夜行列車として運行されます。そもそも昭和世代にとって『アルプス』と言えば2002年改正で廃止された急行『アルプス』が思い起こされますが、今回はあたかもこの急行『アルプス』の復活運転とも言えそうです。
車両はE257系9両編成で、全席指定となります。運行日は4日間と非常に少なくなっていますが、夜行列車復活の嚆矢となってくれるか、注目です。ただ、一部のファンが殺到して本来の乗客が乗れなくなってしまっては本末転倒です。閉鎖されている深夜の駅への立ち入りや、沿線への迷惑行為も許されるものではありません。ましてや転売目的の指定席購入などは、あってはならない行動です。せっかくの夜行列車復活の機運をトラブルで潰してしまわないよう、ファンとしては温かく見守りたいものです。
運行本数激減の185系 今後はどうなる?
また、185系を使用した臨時列車が激減していることも話題となっています。
夏の臨時列車として発表されたのは、7月20、21日に大宮ー越後湯沢で運行される『谷川岳もぐら』『谷川岳ループ』の合計4本のみ。この2列車は9月以降にも運行されますが、E257系による運行へ変更される見込みです。春の臨時列車としてはそれなりに運行されていた185系ですが、8月以降の運転は発表なしという寂しい状況となっています。
JR東日本によれば、185系の今後については未定ということですが、200番台で編成されたB6編成は全般検査の期限が2024年6月となっており、大宮総合車両センターのE257系に余裕があることから運用離脱の可能性も捨てきれません。なお、基本番台で編成されたC1編成は、2022年6月に全般検査を受けていることから、もうしばらくは使用される可能性があります。
青春18きっぷ 2024年の夏用は発表されず
さて、夏の臨時列車については発表されましたが、その去就が注目されている青春18きっぷについては発表がありませんでした。
「どうなる青春18きっぷ 2024年夏・冬の発表なし 廃止のうわさは本当なのか?」の記事にも掲載した通り、例年春に1年分まとめて発表される青春18きっぷが、2024年は春用しか発表にならず、発表当時から話題となっています。近年は青春18きっぷの廃止がうわさされていただけに、「もしかしてとうとう廃止か」と心配する声が各方面からも上がっていました。
報道各社が報じたことによると、JRに対して取材した結果、廃止の事実はないとこのとでしたが、現実にこの時期になっても発表がありません。夜行列車やフルムーンパスのように、事前告知もなくしれっと消えていった例も多くあることから、切符の存続に向けて実に気になる状態となっています。