「200系カラー」のE2系新幹線が運行開始
東北・上越新幹線開業当時の200系カラーを再現したE2系の運行が、2022年6月9日に始まりました。
これは、日本の鉄道開業150周年に関するイベントの一つとして行われているもので、E2系1編成が東北・上越新幹線開業時の200系に合わせた塗装へ変更されています。
2022年は東北・上越新幹線の暫定開業から40年周年でもあり、200系カラー編成は7月2・3日には『東北新幹線開業40周年記念号』として上野→青森→盛岡で運転されるほか、6月9日からは定期列車にも充当されており、SNS上ではさっそく営業運転につく姿が投稿されています。
緑をベースにした東北・上越新幹線のオリジナル塗装は、2013年に全廃されて以来9年ぶりの復活となります。リバイバル塗装は不自然な外観になることが多いのですが、意外と違和感がありませんね。
また、200系で車内放送に使用されていた各停車駅ごとに異なるいわゆる「ふるさとチャイム」も再現されています。この「ふるさとチャイム」は1991年6月の東京延伸時に廃止されており、こちらは約30年ぶりの復活となります。
「200系カラー」のE2新幹線 運用や時刻表はここに掲載
この200系カラーのE2系は1編成のみの存在となっており、普段はそのほかの車両と共通運用となっている模様です。
運行時刻は、混乱を避けるためか前日の22時以降にJR東日本のサイトで公開されるということですが、2022年6月10日現在、「運行情報」の新幹線のお知らせにかなり控えめに掲載されています。以下の専用サイトで公開されています。
※200系カラーのE2系は引き続き運行されていますが、2022年12月31日をもってこのサイトの情報提供は終了しています。
200系新幹線 なぜ緑色? 0系と酷似していても変更点は多い
モデルとなった200系新幹線は、1982年(昭和57年)の東北・上越新幹線暫定開業(大宮―盛岡・新潟)に合わせて誕生しました。
車体塗装は、青をベースにした0系(当初は色が決まらず、会議室にあった青と白のたばこの箱の色に決まったという俗説がありますが、真偽はわかりません)に対し、200系では雪解けの春の新芽をイメージした緑色をベースとしたものとなりました。
新幹線としては東海道・山陽新幹線に続くもので、車両も0系をベースに設計されていますが、技術の進歩や走行環境の違いにより実は大きく改良されています。
フロントスタイルは0系に似ているものの、流線形は0系に比べシャープになっており、運転席窓周りの形状が細くなり、後の100系に近い形となっています。
車体は雪対策として床下機器がすべてカバーでおおわれており、この重量増加対策として普通鋼の0系に対しアルミ車体が採用されています。先頭車のスカートには雪掻きが設置され、高速走行時でも安定して排雪が可能です。
この他、0系にはなかった運転台へのディスプレイの設置、速度計のLED化、省エネを目指してサイリスタ制御の採用など、時代に合わせた設備が設置されています。
JR化後と前後して、先頭形状を100系タイプのシャークノーズに改めた車両が新製され、速達タイプの列車を中心に使用されます。後に中間車から先頭車改造を受けたグループを含め、新製された2階建て車両2両を含む16両編成となり、当時再速達タイプであった通称『スーパーやまびこ』に使用されました。
1990年代半ばになると、初期グループの200系を中心に老朽化が進み、1997年からは後継となるE2系が登場。これにより廃車が始りますが、一方で10年程度の延命を見込んだリニューアル工事も進められ、塗装も当時のE2系やE4系に似たリニューアル塗装へと変更されました。ただし、一部にはオリジナル塗装も残されており、2013年に全廃となるまで見ることができました。
E5系の登場により全面的に置き換えられることとなり、2013年3月改正をもって全編成が定期運用を離脱、4月までさようなら運転や臨時列車として使用された後、6月までに全車両が廃車となりました。