東海道・山陽新幹線のチャイムが変わります… 歴代チャイムと「ひかりチャイム」の原曲は?

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東海道・山陽新幹線のチャイムが変わります 2023年夏ごろから

JR東海は2023年2月16日、東海道新幹線で使用している車内チャイムを変更すると発表しました。

現在の東海道新幹線では、JR東海所有車はTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」が車内チャイムとして使用されていますが、これがUAの歌う「会いにいこう」に変更されます。現行チャイムは2003年の品川駅開業に合わせて従来のいわゆる「のぞみチャイム」「ひかりチャイム」から変更されたもので、その後20年近くにわたって使用されてきたことから、新幹線のチャイムと言えばこのメロディーを思い浮かべる方も多いかと思います。このためか、SNSなどでは聞きなれたメロディがなくなることを惜しむ声が上がっています。

JR東海では変更の理由として、2月16日より開始したビジネスパーソンへの感謝と応援の思いを込めたという「会いにいこうキャンペーン」に合わせることを挙げており、2023年夏ごろから、車内チャイムが現行のものからこのキャンペーンCMなどでも使われている、UAの歌う「会いにいこう」に順次変更されるということです。

JR東海「会いにいく、が今日を変えていく。」 60秒
JR東海が公開している、公式CM この曲のどの部分が使われるのかは2023年2月23日現在不明 

なお、JR西日本、JR九州所属の車両に関しては、今のところ変更の予定はないということです。

東海道・山陽新幹線 車内チャイムの歴史

東海道新幹線の車内チャイムの歴史は、1964年(昭和39年)の東海道新幹線開業にまでさかのぼることができます。

私のような1970年代生まれのおじさんからすれば、東海道新幹線の車内チャイムといえばやはり通称「ひかりチャイム」と呼ばれるものが浮かびますが、実は東海道新幹線に限っても車内チャイムはたびたび変更されてきました。

東海道新幹線開業時には、0系の車内チャイムは当時在来線の電車特急で採用されていた「鉄道唱歌」でした。しかし、せっかくの超特急が在来線と同じではつまらん、という意見が国鉄に寄せられ、新しいチャイムが導入されることになりました。作曲したのは、当時第一線で活躍中であった作曲家の黛敏郎(当時39歳)という力の入れようで、開業4年後の1968年(昭和43年)にはすべての車両のチャイムが置き換えられました。

【車内チャイム】0系新幹線「鉄道唱歌」
国鉄時代の電車特急では標準装備だった鉄道唱歌の車内チャイム いつから使われていたのかは定かではないが、0系が登場した頃にはすでに在来線で使用されており、0系もこれに倣ったとされる 国鉄の本格的な車内チャイムはキハ80系や20系客車で採用された「ブラームスの子守歌」が始まりとされ、停車駅が少ない特急の登場で、長時間途切れていた放送が突如入る不自然さを和らげるという目的があったらしい その後は電車は鉄道唱歌、ディーゼルカーはアルプスの牧場、客車はハイケンスのセレナーデが国鉄の標準となった

ところが、このチャイムが非常に暗い音程であったことから乗客には不評で、「怖い」とも評される始末でした。このため、さらに4年後の1972年(昭和47年)の山陽新幹線岡山開業に合わせて変更されました。

【新幹線】黛敏郎チャイム【車内チャイム】
鉄道唱歌に代わって採用された通称「黛チャイム」 確かに暗くてやや怖い感じがしないこともなく、乗客からも不評であったという

この時の変更に当たっては、わざわざ作曲家に頼んだものが短期間で終了となると気まずいと思ったのか、曲に代わって後に長く使われる4打点音のチャイムが採用されています。

国鉄が分割民営化された1987年(昭和62年)4月、始発・終着放送に限り後に「ひかりチャイム」として有名になるメロディーが導入され、この時から車内チャイムは始発・終着パターンと、途中駅パターンの2種類となり、以降の東海道・山陽新幹線の標準となりました。

東海道新幹線(ひかり・こだま) 旧車内チャイム
「ひかりチャイム」として長く親しまれた車内メロディー 当初は4打点音のものだけだったが、民営化を機に始発・終着駅用も導入され、この時から東海道・山陽新幹線は「始発・終着駅用」と「途中駅用」の2種類になった 

1992年改正で『のぞみ』が誕生すると、こちらは「ひかりチャイム」ではなく、「のぞみチャイム」とも呼ばれる新しい車内メロディーが導入されました。当時在籍していた0系、100系、300系を問わず、列車種別によって使い分けられており、300系が『ひかり』運用に入る際は「ひかりチャイム」が使用されていました。

のぞみチャイム【発着用、途中駅用】
『のぞみ』登場時の「のぞみチャイム」 300系の登場と同時に導入されたが、300系の増備で『ひかり』『こだま』に充当された際は「ひかりチャイム」が使用された

2003年改正の品川駅開業を機に、JR東海では「AMBITIOUS JAPAN!」に、JR西日本では「いい日旅立ち・西へ」に変更され、「のぞみチャイム」「ひかりチャイム」は原則として廃止となりました。

なお、4打点音の「ひかりチャイム・途中駅用」は、2023年現在も山陽新幹線で接近放送として使用されている他、チャイム自体はN700系やN700S系にも搭載されている模様で、ダイヤ乱れなど緊急的なアナウンスの前に稀に使用される場合があるようです。

東海道・山陽新幹線の車内チャイムの変遷をまとめると、以下のようになります。

  • 1964年~1968年 鉄道唱歌
  • 1968年~1972年 黛チャイム
  • 1972年~2003年 4点打音チャイム(1987年からは途中駅用)
  • 1987年~2003年 ひかりチャイム(始発・終着用)、1992年からは『ひかり』『こだま』のみ
  • 1992年~2003年 のぞみチャイム(『のぞみ』のみ)
  • 2003年~2023年 JR東海は「「AMBITIOUS JAPAN!」、JR西日本は「いい日旅立ち・西へ」

「ひかりチャイム」の原曲はある? 一説にはクリスマスソングだといわれているが…

ところで、この「のぞみチャイム」「ひかりチャイム」のメロディー、原曲はあるのでしょうか?

「ひかりチャイム・途中駅用」の場合、先ほど述べた通り「これなら著作権も短期間の変更でも問題ないだろう」ということで、楽曲ではなく4打点音が採用された経緯があります。では「ひかりチャイム・始発・終着駅用」はどうでしょうか。

一説には、「ひかりチャイム・始発・終着駅用」はイギリスのバンドグループ「Band Aid」の「Do They Know It’s Christmas?」という曲の一フレーズだという意見もあり、「実はひかりチャイムはクリスマスソングだった」という記述も見受けられますが、公式には何も述べられておらず、単に似ているだけという可能性も高いと言われています。

Do They Know It's Christmas / Band Aid
Band Aidによる「Do They Know It’s Christmas?」 エチオピアの飢餓による窮状を知ったイギリスのミュージシャンが集まり、チャリティー規格として製作された 聞いてみると、なるほど似ている部分があるが、引用なのか偶然なのか、真実は不明

ただし、「Do They Know It’s Christmas?」のリリースは1984年、「ひかりチャイム、始発・終着駅用」は1987年ですから、何かしらの影響はあった可能性はありますが、もはや30年以上の前の話。SNSが盛んで国内外の楽曲や情報が瞬く間に拡散する現在であれば、「新幹線パクリ疑惑」なんてものでにぎわったかもしれませんね。

なお、「のぞみチャイム」に関しても、特に出典や原曲となるような楽曲はなさそうです。

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