くま川鉄道 国の支援で運転再開へ 一部区間は先行復旧も

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豪雨で被災のくま川鉄道 国の支援で復旧へ

2020年7月の豪雨で被災し、現在も全線が不通となっている熊本県のくま川鉄道について、国土交通省は、「特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業費補助金」の対象事業とすることを決定しました。

これは、大災害が発生し鉄道が被害を受けた場合、過去3年間赤字の場合に鉄道事業者の負担を軽くして、大きな被害を受けた鉄道の早期復旧を目指すための制度で、これによりくま川鉄道は実質負担額がゼロとなります。

赤字鉄道の災害復旧を支援する、特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業費補助金とは?

朝の混雑が激しく、通学需要を優先してロングシート化されたくま川鉄道の車両
くま川鉄道の車両 手前からKT-501、502、503 沿線地域では2015年までの25年で人口が2割減少、高齢化率は倍増し、全体的な利用は減少傾向にある 開業時に8両所有していた車両は、置き換え時に5両となり、需要喚起を狙って観光仕様となった しかし少子化で沿線の高校が閉鎖となり、その結果遠距離通学需要が高まって毎朝積み残し寸前の綱渡り運行が常態化した テーブル付きボックスシートでは収容力も低い上、加えて資金や設備の問題で増発や増結も難しく、朝の混雑は地元の新聞にも取り上げらる問題となった 結局通学需要を優先する形で、2019年に全車両のロングシート化工事が行われた
Wikipediaより

くま川鉄道は、もともとはJR湯前線を引き継ぎ1989年10月に開業した路線で、人吉温泉―湯前24.8㎞を結んでいます。開業当初は沿線に高校が5校あり、朝のラッシュは最大5両編成で運行されるなど、利用客の大半を高校生が占めていました。

2020年7月の豪雨で延長322mの球磨川第四橋梁が流出し、保有する全5両が水没、人吉温泉駅への土砂流入など、大きな被害を受けました。このため2021年5月現在も全線が不通となっています。

しかし、被災直後から復旧へ向けた枠組み作りが始まり、被災翌月の2020年8月には国の支援を受けて路線復旧を目指すことをくま川鉄道が表明、2020年12月には沿線自治体と熊本県で「くま川鉄道再生協議会」が設立され、国も当初から支援を行うことを表明していました。

この「特定大規模災害等鉄道施設災害復旧事業費補助金」は、過去3年間が赤字となっている鉄道会社について、災害で大きな被害を受けた際に国や自治体がその復旧費用を負担する制度です。

今回のくま川鉄道の場合、46億円とみられる復旧費用のうち、国が50%、沿線自治体が50%を負担しますが、沿線自治体負担分のうち95%を普通交付税として自治体に交付するため、最終的な実質負担は国が97.5%、沿線自治体が2.5%となり、くま川鉄道の負担はゼロとなります。

一方で、補助金を受けるためには将来にわたって経営を安定させる必要があり、復旧させる線路や施設などは沿線自治体が所有・維持し、くま川鉄道は運行に専念するいわゆる「上下分離式」を導入することも再生協議会で合意されたことから、国の支援が決定しました。

くま川鉄道の一部区間は先行復旧も

また、再生協議会では被害の少なかった一部区間について、2021年秋にも先行して復旧させることで合意しています。

選考復旧するのは、肥後西村―湯前で、距離にして18.8㎞となり、全線24.8㎞のうち75%にあたります。

運行再開は11月頃とみられていますが、残る人吉温泉―肥後西村については復旧工事期間の見通しもできていないのが現状です。また、人吉温泉で接続するJR肥薩線は、まだ復旧への道筋すら示されていません。

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