この記事は12月7日に公開したものです。12月13日に各社からダイヤ改正についての発表がありました。2020年3月14日JRダイヤ改正 全社の改正内容を一気読み 概要と発表のまとめで紹介しています。
2020年JRグループダイヤ改正 実施は3月14日か
JRグループでは、例年3月頃にダイヤ改正を実施していますが、その概要が発表される時期が近づいてきました。おおむね12月の第3土曜の前日に発表されることが多く(2019年改正は、2018年12月14日金曜日でした)、その例で行くと今年の発表日は12月20日ということになります。
今年は11月末に相鉄線とJR線の乗り入れが始まった話題が大きく、今のところこれといった大きな話題が聞こえてこないのが特徴です。それでも、各種報道などにより分かっていることのうち、主なものをまとめてみました。なお、推測や噂の情報は採用せず、あくまで公式に発表された情報を基に取り扱います。
各種報道によると、ダイヤ改正は3月14日土曜日が予定されています。
JR北海道では千歳線で輸送力増強
北海道では新千歳空港と札幌を結ぶ快速『 エアポート』が運行時間帯を拡大し、現在の日中毎時4本から5本へ増発、さらに2往復の特別快速が設定されます。1日の運転本数は116本から148本へ増加し、空港アクセスと千歳線輸送の改善が行われます。ローカル面では、新型のH100型が15両投入され、201系以外の小樽-長万部の普通列車を置き換える予定です。
投入されるH100型気動車 wikipediaより
高輪ゲートウェイ駅が開業 251系は引退へ
首都圏では、建設が進められてきた高輪ゲートウェイ駅が暫定開業、山手線、京浜東北線でダイヤ改正が行われるものと思われますが、詳細はまだ発表になっていません。山手線では、この改正ではE235系への置き換えが予定されています。現在のE233系52編成に対し、E235系の投入数は50編成とされており、減少分が何を意味するのかが注目されます。
東海道・伊豆系統では、251系『スーパービュー踊り子』が引退・廃車、代わってE261系『 サフィール踊り子 』が運転を開始します。また、順次E257系を投入し、185系を置き換えます。
東北地区では、東日本大震災と原発災害により不通となった常磐線のうち、最後の不通区間である富岡-浪江が復旧し、震災以来約9年ぶりに全線で運転を再開します。復旧にあわせ、東京-仙台に直通特急の運転も再開されます。ただ、今のところ運転再開は「3月」となっており、ダイヤ改正と同時に復旧するのかははっきりとしません。
東海道新幹線はN700A系に統一 『のぞみ』を最大12本/時運転
東海道新幹線では、すべての車両がN700A系に統一され、全列車の最高速度が285㎞/hに向上します。この他、現在1時間当たり最大でのぞみ10本、ひかり2本、こだま3本の合計15本運転を、東京駅での折り返し時間を平均で2分短縮するなどして、のぞみを最大で12本に増発し、1時間当たりの最大運転本数は17本になります。なお、N700S系は春以降順次導入され、営業開始は夏頃になる見込みです。
西日本は小幅な改正にとどまるか
YC1系気動車 Wikipediaより
JR九州では、発電機と蓄電池によるハイブリッド気動車YC1系を主に大村線に投入、既存のキハ66系を置き換える予定です。JR九州では、九州新幹線武雄温泉-長崎が暫定開業する予定の2023年春まで現在のダイヤを維持することをすでに発表しており、車両の置き換えなど小幅な変化にとどまる見込みです。
この他、JR西日本、JR四国では大きな話題が今のところ明らかになっていません。特にJR西日本は、JR九州同様北陸新幹線の敦賀開業を控えていることから、それまでは車両の投入、転属、大幅なダイヤの変更は避けると思われます。先日発表となった関西地区の深夜帯の見直しも今回の改正では反映されない見込みです。
【 12月12日追記】
北海道では、函館本線札幌圏で停車駅の見直しが行われ、『 いしかりライナー』が全て普通列車となります。
東海道新幹線では、700系の引退が3月8日と決まり、改正を待たず一足先にN700A系に統一されることになりました。
JR西日本の発表によると、近年利用客の増加しているゆめ咲線で、西九条駅とユニバーサルスタジオ駅の改良を行い、1時間あたりの最大運転能力が現在の9本から12本へと増強されます。また、京都・大阪と関西空港を結ぶ特急『 はるか』に、増結用として271系がデビューが予定されていますが、この2点は実施時期が2020年とされているだけで、3月改正で行われるかどうかは発表されていません。