昨年とほぼ同規模 2019-2020大手私鉄と地下鉄の終夜運転
2019年大晦日から、2020年元旦にかけての大手私鉄、地下鉄各社局の終夜運転の予定がほぼ発表されました。
近年は規模、本数とも減少する傾向にあり、特に今年はJR西日本から早々と縮小の発表があり、これに他社が追従するのかが注目されていましたが、結論から言うとほぼ昨年を踏襲したものとなりました。
終夜運転の実施状況を、発表された内容を基にまとめると以下の通りとなります。
- 終夜運転を行う社局・路線
- 東京メトロ 全線(銀座線の一部は工事運休)
- 東京都交通局 全線(都電、舎人ライナーを除く)
- 東急 東横線
- 東武 大師線 スカイツリーラインの一部(浅草-竹ノ塚)
- ★小田急 ほぼ全線(ロマンスカーを下り7本、上り1本運転)
- ☆京急 本線の一部(泉岳寺-横浜 特急を下り2本を運転)・大師線
- 京成 ほぼ全線
- ★京王 ほぼ全線(有料特急を下り4本、上り1本運転)
- 横浜市交通局 地下鉄全線
- 名古屋市営地下鉄 全線
- 京都市交通局 地下鉄全線・路線バスの一部
- 大阪メトロ 全線
- ☆阪急 全線
- 阪神 全線
- 南海 本線の一部(難波-羽倉崎)・高野線の一部(難波-北野田)
- ☆京阪 大津線系統を除く全線
- ★☆近鉄 特急を含めほぼ全線(有料特急をほぼ全線で上下57本運転)
- ☆西鉄 天神大牟田線の一部(西鉄福岡-大牟田)・大宰府線
- 終電、初電の時刻を変更する社局・路線
- 札幌市交通局(全線)
- 東急 田園都市線
- 東武 スカイツリーラインの一部・東上線
- 西武 池袋線・新宿線・拝島線・国分寺線
- 京急 本線の一部・逗子線・久里浜線
- 福岡市地下鉄 全線
- いずれも行わない社局
- 仙台市交通局
- 名古屋鉄道
- 神戸市交通局
★は有料特急を運転 ☆は料金不要の優等列車を運転
本数・規模では西日本が目立つ終夜運転の「西高東低」
人口や普段の輸送規模に比べ、西日本の社局で終夜運転の規模の大きさが目立ち、ちょうど西高東低の状況になっていることが伺えます。特に関西以西の8社局のうち、神戸市交通局を除く7社局で終夜運電が実施されます。
この中でも特徴的なのは近鉄で、一部の支線を除くほぼ全線で有料特急の終夜運転が行われ、その運転本数は上下57本に及びます。沿線には伊勢神宮をはじめ京都、奈良を抱え、しかも距離が長いことから、毎年一定の需要が存在します。この他、料金不要の急行も多数運転されます。
さらに目立つものとしては京阪間で、両区間を結ぶ阪急京都線、京阪本線では、各駅停車の他にほぼ同数の優等列車が終夜設定されています。京阪間は乗車時間、距離とも比較的長く、また京都という土地柄、初詣需要も高いことから、終夜運転の需要が非常に高いことが特徴です。
阪急京都線では、主要駅のみ停車する快速(一部快速急行または準急)と各駅停車がそれぞれ約20~30分間隔、京阪本線では同様の急行と各駅停車がそれぞれ約20~30分間隔と、比較的高密度な運転が行われます。京阪本線は、沿線に大阪天満宮、成田山不動尊、石清水八幡宮、伏見稲荷大社、清水寺、八坂神社、平安神宮など全国的に有名な社寺も多く、終夜運転の歴史も1957年(昭和32年)まで遡ります。また、京都市内においては地下鉄2路線が終夜約20分間隔で運転される他、鉄道駅と有名社寺を結ぶ市バスの臨時3路線で10~30分程度の間隔で終夜運行が毎年行われており、京都方面へ向けての需要の高さが伺えます。
福岡県でも、九州屈指の参拝客を誇る太宰府天満宮へ向け、西鉄天神大牟田線の一部と太宰府線で終夜運転が実施されます。中京圏では、JR東海、名鉄とも終夜運転を取りやめてしまったため、首都圏、関西圏以外では唯一の例となりました。西鉄においても、一部時間帯とはいえ急行の運転が行われるのも特筆されます。
なお、相模鉄道については、12月11日現在公式発表がありませんでした。
※実際の利用にあたっては、必ず利用する各社局で確認してください