E493系に第二編成が登場 JR東日本から機関車淘汰の日も近い?

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E493系第二編成 甲種輸送で新潟から郡山へ

JR東日本が所有する事業用車両E493系の第二編成が、2023年3月14日に郡山総合車両センターへ回送されました。

新潟県の新潟トランシスで製造されていたE493系の第二編成は、3月8日に最寄りの新潟東港鉄道藤寄駅まで陸送されたのち、3月13日から14日にかけて甲種輸送が行われました。藤寄駅からは、まずは新潟貨物ターミナルまでDD200-6に牽引され、新潟貨物ターミナルから高崎操車場はEH200-20が、高崎操車場から宇都宮貨物ターミナルまではEF65-2085が、さらに宇都宮貨物ターミナルから郡山総合車両センターまではEH500-78が牽引しました。蛇足ながら、新潟東港鉄道にDD200が入線したのはこれが初めてということです。

量産化モデル? 今後の増備は? E493系第二編成 配色や窓配置が異なる 

今回輸送されたのは、2021年に製造された第一編成に続く第二編成で、クモヤE493-2+クモヤE492-2の2両編成です。JR東日本は、量産先行車となるE493系第一編成に対し、2023年には第一編成での試験結果を踏まえた量産車1編成を投入する計画を発表していました。

E493系第一編成
こちらは2021年に製造されたE493系第一編成 側面の帯や、窓配置が第二編成とは異なる 第一編成は尾久車両センターに所属している なお、E493系第一編成はATCを搭載しておらず、該当線区は走行できないいないが、JR東日本の発表によれば運用区間が「当社全エリア」となっているので、第二編成以降は仕様変更があるかもしれない Wikipediaより

JR東日本の発表によれば、今回の第二編成は、量産先行車となった第一編成の使用を踏襲しつつもコストダウンを図った設計となっており、外観からは側面の帯が省略され、両車両とも側窓が片側2か所削減されている様子がうかがえます。

なお、この発表の中で、砕石輸送車両としてGV-E197系はホッパー車GE-E196系の6両を含む6編成(12両)に加え、牽引用車両として2両の量産が述べられていますが、E493系に関しては今後の量産には触れられていません。

V-E197系ディーゼルカー
同時に量産が発表されたGV-E197系ディーゼルカーと砕石輸送車GV-E196系 2両のGV-E197系で6両のGV-E196系を挟み込むのが基本スタイルのようだが、GFV-E197系単独でも牽引車として使用でき、砕石輸送車6編成に対してV-E197系は7組14両が製造される予定 車体の設計などはおおむねE493系と共通 Wikipediaより

牽引車両として製造されたE493系とは? 

E493系は、JR東日本が製造した事業用電車で、2021年に量産先行車が登場しました。

JR東日本では現在、車両の入換や無動力での車両の回送に電気機関車やディーゼル機関車を使用しています。これらの車両は国鉄時代の製造で新しいものでも車齢が40年に達し、老朽化の進行で近く置き換える車両が必要となっていました。

しかし、機関車は電車やディーゼルカーに比べ運転に技術が必要なことや、そもそも運転免許の種類も違うため、運転頻度の高くない事業用列車の運転のために免許の取得や運転技術の維持などに手間とコストが必要となっていました。

また、カルダン駆動が普及する中で機関車には依然として吊り掛け駆動を採用していることなど、JR東日本に圧倒的多数で存在する電車、ディーゼルカーの中にあって、機関車は運転、メンテナンスの両面から不経済な存在となっていました。

このため、事業用車両についても駆動システムや操縦方法、保守管理を電車・ディーゼルカーと統一するため、製造されたのがE493系電車でした。また、これまでディーゼル機関車牽引で行っていた砕石輸送を効率化するためと、非電化区間での牽引車として使用するためGV-E197系ディーゼルカーも製造されました。

E493系は、クモヤE493+クモヤE492で2両編成を組み、形式の示す通り交直両用で電化区間であれば線区を選ばずに走行することが可能です。牽引力については公表されていませんが、10両程度であれば1編成で牽引できるということですが、重量編成となった場合にはE493系2編成で牽引することも可能な設計となっています。

車体はオールステンレス製で、中央本線に存在する狭小トンネルを通過するため低屋根構造となり、前面は事業用電車らしく警戒色の黄色を周囲に配置。窓周りはブラックフェイスで何となく201系や205系を思わせる顔つきですが、JR東日本によれば特にイメージした車両はなく、実用性を追求した結果のデザインということです。側面には乗降用の両開き手動扉の他、取り外し式の機器搬入用の開口部が設けられています。

JRの所有する牽引車と言えば、101系をベースとした143系があり、JR東日本にも依然として2両が在籍しています。こちらは車内に他列車救援用のクレーンを搭載していましたが、E493系の車内には所狭しと機器類が並んでおり、今のところこうした装備は確認できなさそうです。

事業用の牽引車と言えばやはり143系のイメージが強い 首都圏のATC区間での使用を前提に新製された車両で、1976年(昭和51年)から21両が製造された 低屋根構造で協商トンネル対策がなされているのもE493系と同じ JR化後は活躍の場が少なくなり、現在は2両が残るのみ Wikipediaより

なお、同時に製造が進められているGV-E197系は、E493系のディーゼル版ともいうべき車両で、普段は砕石輸送車GV-E196系6両編成の両端に配置され、これまでディーゼル機関車が行ってきた砕石輸送を行う役割を持っています。GV-E197系を牽引車として使用した場合には、E493系電車と同程度の性能を発揮できるということです。

E493系、GV-E197系が増備されれば、JR東日本の機関車は全廃か

JR東日本には現在約50両の機関車が在籍し、いずれも定期運用はないものの工事列車や牽引車として時折使用されいてます。

しかし、すでに述べたような理由で機関車の存在は著しく不経済であり、老朽化も進行しています。

JR東日本では、E493系とGV-E197系の増備に関する発表の中で「操縦方法やメンテナンス方法を気動車・電車と統一することで、効率的な運用およびメンテナンスを実現する」こと、また「老朽化した機関車・貨車からの置き換えを行う」ことを述べています。

E493系やGV-E197系がどのペースで量産されるかは発表されていませんが、そもそもJR東日本の機関車の稼働率は低く、置き換えにそれほどの両数は必要ないと思われることから、近い将来JR東日本から機関車が全廃されることが予想されます。

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