JR東海 新型車両315系のインテリアデザイン・車内設備の概要を発表
JR東海は、2021年度にも投入される新型車両315系のインテリアデザイン・車内設備についての詳細を発表しました。315系のインテリアデザインのコンセプトは「優しく安心感のある快適な移動空間」。国内で初めてとなる、AIによる自動学習・制御最適化機能を冷房に搭載することで冷房能力の向上を図るほか、座席の拡大や天井を高くするなどして快適な車内環境を目指しています。
冷房装置にAIによる学習・最適化機能を搭載
315系全車両に温度・湿度・乗車率などのデータをサーバーへ送信する機能を搭載。これによりサーバー内のAIが最適化した冷房制御を実施します。また、冷房の稼働状況を常時一括して把握することで、故障の予兆などをいち早く発見し、メンテナンス性を向上します。
これらにより、211系と比べ、315系は冷房能力が約3割向上します。
座席はすべて改良ロングシート 車内が広く感じられる配色に工夫も
315系は、全編成がロングシートとなります。車内は防犯カメラが設置されるなど、安全面にも配慮されています。211系に比べ、315系は座席幅が1㎝広く改良され、座席形状も体への負担が小さい形状が採用されます。天井が高くなり、車内配色にもグラデーションを持たせることで、空間を広く感じられるようになっています。熱戦吸収ガラスを採用することにより、車内カーテンがなくなります。
バリアフリー設備の充実 扉付近には傾斜も
315系では、全車両に車椅子スペースと全編成に車椅子対応のトイレが設置されます。また、車内床面を低くし、扉に向かって床面に傾斜をつけることで、車椅子での乗降を容易にします。
非常用バッテリーを搭載
315系は、停電などで万が一駅間に立ち往生しても、最寄りの駅まで走行できる非常用蓄電池が搭載されます。N700S系と同様のシステムとされ、JR東海では在来線初となります。
315系の投入計画は？ 2021年度は名古屋地区へ56両
名古屋地区へは2021年度から2023年度まで
315系は、2021年度中から2023年度にかけてまずは名古屋地区に投入される予定で、2021年度は8連×7本の56両の投入が予定されています。
以降、2022年度は8編成56両、2023年度は20編成120両が投入され、東海道本線や関西本線、中央本線の211系や213系、311系を置き換えるものと思われます。
2024年度以降は静岡地区へも投入
2024年度以降は静岡地区へも投入され、同年度に16編成64両、2025年度に14編成56両の投入が予定され、最終的には8連×23本、4連×42本の合計352両の投入が予定されています。
これにより、国鉄設計である211系や213系、JR化後に投入された311系は置き換えられる予定です。
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