東北地方で大雨 鉄道の運転見合わせ相次ぐ
2022年8月3日の午前中より東北地方で降り続いた大雨の影響により、山形県や秋田県を中心に鉄道にも被害が出ている模様です。
8月3日の東北地方では、大雨の影響で山形新幹線や秋田新幹線を始め、奥羽本線や東北本線、五能線、大湊線、磐越西線などで運休や列車の遅れが相次ぎました。
北海道新幹線でも、列車の運行に支障はなかったものの、津軽今別駅が冠水したため一時駅舎に出入りできない状態となった模様です。
8月3日21時現在でも、依然として秋田県、山形県、新潟県、福島県の山間部を中心に激しい雨が降り続いている模様で、さらなる災害の発生が懸念されます。
奥羽本線、五能線、花輪線では被害発生 復旧までには相当にかかる個所も
JR東日本によれば、奥羽本線、五能線、花輪線ですでに被害が確認されています。
奥羽本線の下川沿ー大館では、線路下の土砂が崩れ線路が宙づりになっている様子が報じられています。このため、8月4日以降も東能代―大舘が運転見合わせとなり、復旧までには相当の日数がかかる見込みということです。
五能線では、能代―鰺ヶ沢で線路冠水、土砂流入などが確認されています。こちらは8月4日夕方の運転再開を目指し復旧作業が行われているということです。
花輪線でも土砂流入により、少なくとも8月4日は終日運休となります。復旧の見通しについては触れられていません。
米坂線・磐越西線では鉄橋が崩落
米坂線では、山形県飯豊町の羽前椿ー手ノ子にかかる「小白川橋梁」が崩落しました。また、磐越西線では、喜多方ー山都にかかる「濁川橋梁」が崩落しました。
いずれも8月4日にJR東日本によって確認されたもので、8月3日を最後に列車は運休となっていたため、列車や乗客に被害はありませんでした。
こちらも復旧までには相当の時間がかかることが想定されますが、いずれの区間も先日公開された「ご利用の少ない線区」に該当する区間です。JR東日本のデータによれば、今回の被災区間を含む米坂線今泉―小国は輸送密度が833人で営業係数が2659、磐越西線喜多方―野沢は輸送密度534人で営業係数が1817、両線合わせて16億円の赤字となっており、路線の存続問題となる可能性が極めて高くなっています。
IGRいわて銀河鉄道でも被害 北東北―南東北の貨物輸送が断たれる
また、IGRいわて銀河鉄道も、いわて沼宮内~二戸においてトンネル浸水、路盤流出などの被害が確認されており、復旧までには数日かかる見込みです。
奥羽本線、いわて銀河鉄道の被災により、北東北と南東北を結ぶ線路がいずれも寸断される状況となっています。このため、JR貨物では盛岡―八戸、秋田―大舘などで貨物列車の運行を停止しており、運転再開のめどはたっていないということです。
運休が長引けば、北海道からの農産物の輸送などで市民生活にも大きな影響が出る恐れがあります。