JR貨物が「ありがとう DE10!撮影会」を実施 近くDE10は全機引退へ
JR貨物は、2024年12月15日に「ありがとう DE10!撮影会」を実施することを発表しました。
実施及び会場はJR貨物東北支社の仙台総合鉄道部で、同部に所属するDE10 1591(国鉄色)とDE10 1539(JR貨物更新色)の2両が展示されます。当日は2部制となり、第一部では運転台撮影、第二部では重連総括の実演などが予定されているということです。
申し込みは2024年11月27日からで、申し込みは専用ページからとなり、各部とも定員になり次第締め切りとなります。
JR貨物によれば、DE10は「間もなくJR貨物での全機引退を迎える」としています。
表示されない場合: 仙台総合鉄道部「ありがとう DE10!撮影会」の開催について
DE10とは? 本線運用から入換までをこなす汎用機関車
DE10は、1966年(昭和41年)に国鉄が開発した、汎用型のディーゼル機関車です。当時の国鉄は蒸気機関車をディーゼルまたは電気に置き換える「動力近代化計画」の真っ最中で、主要幹線を中心に計画は推進されていたものの、ローカル線や車両基地、貨物駅、操車場、さらには幹線でもローカル線との直通列車などでは、まだまだ蒸気機関車が使用されていました。
入換用機関車としては、すでにDD13が量産されていましたが、2軸×2台車で軸重が14tとなるため、線路規格の低い路線への入線ができないという欠点がありました。また、4軸しかないため、6~8軸の蒸気機関車と比べて制動力が不足し、大編成を扱う大規模ヤードでの使用にも難があり、完全に蒸気機関車を置き換えるまでには至っていませんでした。

DE10はこれらの置き換えのため、幹線からローカル線、そして入換など多様な任務をこなせる機関車として設計されました。
すでにDD51が量産されており、これをベースとして使用想定線区に合わせた改良を施すこととなり、2機関を前後に搭載していた本線用のDD51に対して、1機関搭載の汎用機として開発が進められました。
まずは1963年(昭和38年)と1965年(昭和40年)に、DE10の試作機ともいえるDD20が1両ずつ製造されました。運転台が非エンジン側の車端部に設置された1号機と、運転室を挟んでエンジン側と非エンジン側で長さの違う2号機では外観も大きく異なり、特に2号機では後のDE10の特徴ともなる「セミ・センターキャブ」を採用していました。
DD20は、軸重が13.5tに抑えられ、DD13の欠点であったローカル線への入線ができないという問題はクリアしていましたが、その反面車体重量が軽くなった分空転しやすい問題があり、量産は見送られました。
DE10では、これらの問題を解決するため、車体重量がDD13の56tやDD20の54tに対して65tとなり、重量増加で空転問題を抑えています。さらに軸重を軽くするためや制動力確保のため、台車が2軸+3軸の5軸として軸重を13tに抑え、線路規格の低いローカル線での使用も可能となりました。また、DD13やDD20に対して、客車(主に旧型客車)に暖房を供給する蒸気暖房発生装置も搭載しており、旅客列車の牽引にも問題なく使用できました。このため、国鉄のディーゼル機関車のうち最多となる708両が製造されています。
ディーゼル機関車最多両数となるも、活躍の場はすぐに小さく、JRへは約半数が継承
最多製造数となったDE10ですが、1978年(昭和53年)の最終ロットが製造されたころには、貨物列車や客車列車の減少で活躍の場は小さくなってゆき、特に1984年(昭和59年)改正では操車場の全廃、ヤード方式の廃止、郵便輸送の大幅な縮小など貨物列車が大幅に整理されたため、大量の余剰車が発生することとなりました。このため、1987年の国鉄分割民営化では、国鉄全形式の中で唯一JR7社に引き継がれた車両となったものの、その数は後期型を中心に半数程度の361両となっていました。

このうちJR貨物が継承したのは、7社の中で最多となる151両で、引き続き日本各地で使用される姿を見ることができましたが、輸送体系の変化や後継となるHD300、DD200が量産されていることもあって廃車も進み、2024年10月現在では上記の仙台総合鉄道部の2両の他は新鶴見機関区に1両、岡山機関区3両の合わせて6両まで減少しています。
なお、旅客各社でも廃車が進んでおり、同様に2024年10月現在配置されているのは、JR北海道に10両、JR東日本に20両、JR西日本に17両、JR九州に8両となっています。
DE10と瓜二つ 入換専用のDE11とは?
DE10が投入された当時は、東京や大阪といった大都市においても、都心部でモクモクと煙を吐いて蒸気機関車が引き続き入換作業を行う光景が見られました。増え続ける貨物輸送に対して満足な数のディーゼル機関車が確保できないことが原因でしたが、これらの蒸気機関車は効率化や煤煙の問題で、速やかにディーゼル機関車による置き換えが求められていました。そこで本線運用から入換運用、旅客列車や貨物列車などあらゆる運用をこなすことを想定していたDE10に対し、入換運用専用としてDE11が製造されました。
DE11は、DE10とほぼ同じ外観を持ちながら、旅客列車の牽引は行わないという前提で蒸気暖房発生装置を省略、さらに本線での重量列車も充当されないことから、重連総括機能も搭載していません。一方で、空転防止のため死重の搭載で重量は70tとなり、特に上り勾配で大重量の列車を牽引したり押し上げる必要のある操車場へ集中配置されました。

こちらも116両が製造されましたが、操車場の廃止や貨物列車の減少などにより、国鉄の分割民営化までにほとんどが廃車となり、JR東日本へ13両が引き継がれたのみでした。2024年11月現在車籍が確認できるのは、JR東日本の1両と、JR貨物へ譲渡された2両の合計3両のみとなっています。

