山陽新幹線の新たな車両基地を建設へ リニア開通後の需要増を見据えて 兵庫県明石市内に在来線新駅を併設 

JR西日本、明石市内に新幹線車両基地と新駅を建設

Hakata General Train Base from platform of Hakata-Minami Station 5

 

博多総合車両所
wikipediaより

11月15日付の神戸新聞の記事によると、JR西日本が兵庫県明石市内に新たな車両基地の建設を計画していることが報じられています。

場所はJR神戸線大久保-魚住間の在来線と新幹線が近接する区間で、車両基地のほか在来線の新駅、商業施設など100ヘクタール規模の大規模開発となります。

現在JR西日本の新幹線用総合車両基地は福岡県にしかなく、大規模災害などで路線が寸断された場合車両の融通に支障の出ることが予想されますが、大阪側にも同様の機能を持たせた車両基地を建設することで、万が一の場合でも柔軟な運行ができることが期待されます。

また、早ければ2037年にはリニア新幹線の名古屋-新大阪間が開業し、完成すれば東京-新大阪が67分で結ばれる予定です。開業後は新大阪での乗り換えを含めても、東京-博多間でさえ3時間台が実現し、航空機から新幹線へのシフトが進むと予想され、将来の本数、編成増に対応にも対応するため新たな車両基地が必要としています。

 

10月の台風19号で長野県の車両基地が浸水の被害を受けたことを踏まえ、浸水被害の恐れの少ない地域を選定、さらに5m程度の盛り土の上に建設されます。本来は新大阪に近い阪神間や神戸市西区での建設も検討されましたが、トンネルが多いことや用地取得の困難が予想され、候補地として明石市が選ばれました。

 

建設が予定されている周辺

周辺は明石市近郊ながら農地の広がり、農業生産の盛んな一帯で、一部の土地は農地以外への転用が禁止されている「農業振興地域」に指定されています。このため、建設に当たっては国や県、市、地権者の間で十分な調整が必要なため、着工までは相当の期間が必要と思われます。また、車両基地ができれば深夜でも作業が行われることから、騒音対策でも地域の理解が欠かせません。飴と鞭ではありませんが、そのための新駅と商業施設の一体開発かと思われます。

 

車両基地の建設規模は30ヘクタール程度、新幹線20線、在来線10線ほどの収容力となり、南北150m、東西1.8kmの広さが見込まれています。

 

なお、JR西日本と明石市によると、具体的な計画は今からとのことで、今後の情報が待たれます。

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