水没した北陸新幹線E7系 W7系は全車廃車へ 修理復旧より新造が適切と判断 年内には平常ダイヤへ

水没したE7系、W7系は全車廃車へ 安全性の観点から

JR東日本、JR西日本は、先日の台風19号の影響で水没した北陸新幹線のE7系、W7系が、10編成120両全て廃車とすることを発表しました、

さすがに車齢6年程度、こちらの記事でも書いた通り、いくらかでも復旧させるのではないかと思っていたのですが、JR東日本は「新たに車両を新造したほうが安全性の観点で適切と判断した」としています。要は「復旧させることは不可能ではないが、新しいものを作ったほうが手っ取り早い」ということなんでしょう。さすがお金のある会社は違うなーと、感心するばかりです。地方の中小私鉄なら、ダイヤの維持どころか路線存続の危機であったことは疑いありませんから。

帳簿上の損失額は2社合わせて148億円ということですが、あくまで帳簿上の話で、再調達価格は300億円以上と推定されます。一部使える部品は再利用を考えているとのことです。

 

過去に水没した車両を復旧した例はたくさんありますが、最近の車両は精密機械の塊ですから、一部分でもダメージを受けると致命傷となる可能性は高くなります。過去の例では、停泊していた海上自衛隊の護衛艦「しらね」の1室で火災が発生、そこが「しらね」のコンピューターの中枢だったため、1室が燃えただけで廃艦処分の危機になったことがありました(実際には別に廃艦になった護衛艦のシステムを移植して復旧しました)。

おまけに新幹線という特殊な条件下で使うことを考えると、中途半端に修理するのも心配だし、徹底的に直すなら新造したほうが安い、ということなんでしょうね。

 

新造となると数年の期間が必要ですが、当面は上越新幹線の車両更新計画を見直し、上越新幹線から転属させた編成と呼び編成を活用して 、年内には平常ダイヤに戻る見込みとのことです。

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