東海道新幹線で完全個室席を2026年度に設置 設置場所やダイヤ・料金は今後発表

新幹線
本記事のポイント
JR東海は、東海道新幹線に個室サービスを提供することを発表しました。その内容はどのようなものなのでしょうか。また、運行ダイヤや運行区間、料金はどうなるのでしょうか。本記事では、かつて東海道・山陽新幹線に存在した100系新幹線の個室についても紹介しています。
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JR東海 東海道新幹線で個室サービスを提供へ 設置場所やダイヤ・料金は?

JR東海は2024年4月17日、東海道新幹線に完全個室席を設置することを発表しました。

サービス開始は2026年度が予定されていて、1編成当たり2室が設置されます。座席はレッグレスト付きのリクライニングシートで、1室あたりの定員は1~2名程度がとなっています。オンラインなどの打ち合わせを気兼ねなく行いたい会社員やプライバシーを重視する人、周囲を気にせずくつろぎたい人などの利用を想定し、個室内は個別に照明・空調が設定できるほか、専用のWi-fiサービスが提供されます。

設置場所はデッキの業務スペースなどを転用するということで、既存のグリーン車・普通車の定員に変更はありません。N700S系では、2023年10月よりビジネスブースを設置した編成が登場しており、こちらはかつての喫煙スペースを活用されていることから、個室の設置においても同様の方法がとられる可能性があります。

当面はN700S系のうち1割ほどの編成に設置され、運転ダイヤや料金については決まり次第発表されるということです。ただしJR東海によると、価格は既存のグリーン車やビジネス向けシートより高くなる見通しといううことです。また、一部の報道では山陽新幹線を含めた東京―博多でのサービス提供を目指し、JR西日本とも調整を行っているとしています。

表示されない場合: 東海道新幹線への個室の導入について

かつて存在した、新幹線の個室と言えば2階建ての100系

東海道・山陽新幹線の個室と言えば、やはり100系時代のグリーン車が思い起こされます。

16両編成時代の100系のうち、2階建て車両は8号車・9号車で、このうち9号車1階がグリーン個室となっていました。

編成によって個室の構成には差があり、1~3次車であるX編成(8号車が食堂車のタイプ)は1人用5室・2人用3室・3人用1室が設置され、4次車以降であるG編成(8号車がグリーン車&カフェテリアのタイプ)には1人用3室・2人用3室・3人用・4人用各1室となっていました(初期のG編成は、X編成と同様の時期がありました)。ただし、試作編成ともいえるX0編成では、サービスの内容が固まっていなかったことから、9号車1階には何も設置されず、平屋の10号車がグリーン個室となっていました。1986年までに量産化改造されてX1編成となった際に、X2編成以降と仕様が統一されています。なお、『グランドひかり』用のV編成には、個室は設定されませんでした。

2人以上の個室は、定員分のソファーが設置されるという、比較的簡素なものだったのに対し、1人用個室のシートはほぼフラットまで倒れるというもので、大型のデスクと相まって「走る書斎」などという言葉も生まれました。また、新幹線の個室は当時からプライバシーを気にする乗客からは好評だったようで、政治家や芸能人が秘密裏に移動するのに重宝したという逸話も残っています。

共通サービスとしては、各室とも専用のカードキーが発行され、これらは乗車記念として持ち帰りが可能でした。室内には電話機が設置され、食堂車またはカフェテリアへ直接通話が可能となっていました。ただし、当時はまだスマートフォンはおろか携帯電話やパソコンも一般向けではほとんど存在せず、外出先で電化製品を使うシチュエーションがそれほどなかった時代を反映して、コンセントの設置はかなり遅れ、最終増備車に限られていました。

100系の増備は1992年で終了し、以降は300系が量産されるようになりましたが、この頃から東海道新幹線は混雑が常態化し、定員確保のためサービスも均質化されることとなり、個室が設定されることはありませんでした。2000年代以降は東海道新幹線の高速化にあわせて100系が急速に淘汰され、2003年に東海道新幹線から撤退、以降は『ひかりレールスター』用の700系にコンパートメントが設置されたほかは、東海道新幹線区間での個室サービスの設定は行われていませんでした。

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