2022-2023 年末年始の鉄道利用状況 コロナ禍の影響続くも好調なのはあの列車

社会
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2022年~2023年 鉄道利用状況は? 昨年は上回るもコロナ禍前には届かず

2022年から2023年にかけての、年末年始の鉄道の利用状況が各社から発表されています。

JR各社の発表をまとめると、昨年よりは利用が回復した列車、路線が多く、JR東日本の発表によれば、2022年12月28日から2023年1月5日まで9日間において、新幹線・在来線を合わせた利用客数は339万7000人となり、307万6000人だった昨年同期間より10%増加しました。その一方で、長引くコロナ禍の影響を受け、2018年と比較すると、おおむね8割程度の利用にとどまっています。

また、終夜運転の利用もコロナ禍前と比較してやはり利用は低調なようで、すべてが回復傾向にあるとはいえ、以前の利用にはまだ遠く及ばないのが現状のようです。

新幹線・長距離列車は大半で前年越え 秋田新幹線は大雪で前年を下回る

東海道新幹線では、小田原―静岡の断面で『のぞみ』の利用が109%(前年だった2021~2022年との比較、以下特記あるまで同じ)、『ひかり』の利用が同じく119%となり、全体では111%と10%を超える増加となりました。これに続く山陽新幹線でも107%、九州新幹線でも博多―熊本で109%となっています。初めての年末年始を迎えた西九州新幹線では、昨年度の在来線『かもめ』と比較して146%となりました。

西九州新幹線 かもめ
開業後初の年末年始輸送を迎えた西九州新幹線『かもめ』 在来線時代の昨年よりは50%近い増加を見せた Wikipediaより

また、大雪の影響で一部が運休となった秋田新幹線では、期間中の利用客が98%と前年割れになりましたが、東北新幹線大宮―宇都宮で104%、上越新幹線の大宮―高崎で112%、北陸新幹線の上越妙高―糸魚川では107%となっています。

在来線の特急列車で前年に対して好調を示すのが、成田空港、関西空港への列車で、海外旅行が制限されていた前年と比べ、『成田エクスプレス』が1853%、『はるか』が2053%となっています。

E259系 成田エクスプレス
海外旅行が制限されていた昨年に比べ、成田空港、関西空港ともアクセス列車の利用は大幅に増加した 『成田エクスプレス』は前年の5000人に比べ10万人近い利用があり、前年比1828%となった 成田空港駅も、両駅合わせて昨年の2倍、コロナ禍前の98%まで回復している Wikipediaより

この他、前年と比べ増加割合が大きかったのは中央本線系統の『あずさ・かいじ』と北陸本線系統の『しらさぎ』117%、同じく北陸本線系統の『サンダーバード』が110%と健闘しています。

また、新型車両投入効果か高山本線系統の『ひだ』も、115%の利用がありました。

一方、前年比100%に及ばなかったのは、新幹線では山陽新幹線区間の『こだま』や北陸新幹線の『はくたか』で、85%程度の利用にとどまっています。また、在来線では福知山線系統の『こうのとり』の利用が88%となっています。

大都市圏の近郊輸送でも前年を上回る 終夜運転は例年の7割程度

首都圏や近畿圏の近距離利用についても、概ね前年を上回る利用がありました。

首都圏では、期間中ICカードを使用した利用が東京駅で122%、新宿駅で111%となったのを始め、例年初詣客の利用の多い原宿・代々木駅、川崎駅、鎌倉駅、成田駅では前年比110~119%となっています。テーマパークの利用の好調に合わせ、舞浜駅では130%となりました。

近畿圏でも、主要駅では京都駅で117%、大阪駅で115%、三ノ宮駅で106%となり、近畿圏全体で2022年12月28日~2023年1月4日のICカードの利用と近距離切符の発売数は110%となりました。

コロナ禍以降、鉄道各社は年末年始の終夜運転を取りやめる傾向となり、特に2020年~2021年にかけては全社が終夜運転を取りやめました。年末年始の終夜運転は戦前から行われていましたが、戦争の影響で1940年(昭和15年)~1941年(昭和16年)のシーズンを最後に全社取りやめとなり、これが復活したのは1952年(昭和27年)~1953年(昭和28年)であったとされています。年末年始の夜に電車が動かなかったのは、実に69年ぶりの出来事だったことになります。

終夜運転の利用に関する公式発表はありませんが、報道によれば、3年ぶりに終夜運転を実施した京阪電鉄では、コロナ禍前に比べ7割程度の利用であったということです。また、利用自体は低調だったものの、若い世代の利用が多くみられたということです。

利用は回復傾向にあるも、コロナ禍前には及ばず

いずれにしても、多くの路線で前年を上回ったことは確かなようですが、コロナ禍以前の2018年~2019年(以下コロナ禍以前と記載)と比べるとやはり利用は低調なようです。

東海道新幹線では、コロナ禍以前の90%、山陽新幹線では同じく84%、東北・上越・北陸新幹線では同じく80~86%の利用にとどまりました。

在来線でも軒並みコロナ禍前と比べて減少しており、比較的健闘した中央本線系統の『あずさ・かいじ』でもコロナ禍以前の91%、昨年と比べて大幅に増加した『はるか』はコロナ禍以前の60%、『成田エクスプレス』でもコロナ禍以前の69%となりました。

また、JR西日本の特急列車では、おおむねコロナ禍以前の60~80%程度となっています。

近郊輸送でも、東京駅の利用客数がコロナ禍以前の95%と健闘したものの、新宿駅は71%、初詣客でにぎわう原宿・代々木駅は66%、成田駅は70%という結果でした。ただし、関西圏では大阪駅がコロナ禍以前の94%、京都駅が99%、三ノ宮駅が97%と健闘した数字を残しています。

対前年どころか、コロナ禍以前に対して利用数が100%を超えた列車とは?

さて、コロナ禍以前と比べればまだまだ厳しい数字が続く中で、対前年どころか対コロナ禍以前に対して今シーズンの利用が100%を超えた列車が存在していました。

これが日本で唯一となってしまった夜行列車の『サンライズ』系統で、JR東海の発表によれば、静岡―浜松の断面輸送では昨年比126%、コロナ禍以前と比べても102%と絶好調の状態が続いています。

285系
年末年始に限らず、登場から25年が経過しても『サンライズ』の需要は高い 個室と夜行という組み合わせは鉄道ならではであり、アフターコロナの行動様式にもばっちり当てはまっているようだ 2023年春臨でも、琴平延長と91号、92号が運転される 車齢的にはそろそろ後継車が気になるところだが、それ以前に列車が存続するのかどうかに注目が集まる Wikipediaより

おそらくは個室寝台という設備が、コロナ禍を踏まえた新たな需要と一致した結果と考えられますが、JRが最も嫌う夜行列車が人気を集めているとは皮肉な結果になったものです。

『サンライズ』系統に使用される285系も、すでに登場から26年目に入り、連日の長距離走行もあってそろそろその去就が注目される時期になってきました。今までの例でいえば、「お客様のニーズに合わなくなって利用率が低下したため」というのが夜行列車廃止の決まり文句でしたが、今回はそのどちらも当てはまらないようです。果たして廃止の言い訳がなんであるのか、いささか興味のあるところです。

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