豪雨被害のその後は… 肥薩線の復旧にJR九州が言及 くま川鉄道も全線復旧へ

社会
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熊本豪雨で被災の肥薩線 まずは「鉄道での復旧」を目指す

JR九州は、令和2年7月豪雨で大きな被害を受け今も不通となっている肥薩線の八代―人吉について、鉄道での復旧を優先させる考えであることを明らかにしました。

2021年念頭にあたっての地元新聞社の取材に応じる形で、JR九州の青柳社長が表明しました。肥薩線については、あまりに被害の大きさにその復旧についてはまだ不確定なところも多く、存続を危ぶむ声も多く聞かれますが、今現在のところ廃線の議論は免れているようです。

肥薩線は、熊本県八代市の八代駅と鹿児島県霧島市の隼人駅を結ぶ124㎞の路線です。その全線開業は1909年(明治42年)と古く、当時は門司港駅と鹿児島駅を結ぶ鹿児島本線の一部として開業しました。

しかし、現在まで続くスイッチバック、ループの続く風光明媚な路線は、輸送力増強に限界があり、1927年(昭和2年)には八代―川内―鹿児島の現在のルートが完成、幹線輸送の座をそちらに譲るとともに肥薩線へと名称を変更しました。

21世紀になってもその景観の素晴らしさは変わらず、観光列車の運行で一部では賑わっているものの、裏を返せば山間部を走るローカル線で、JR九州の中でも特に利用不振が続いており、豪雨被害の前からたびたび廃線の話も持ち上がっていました。

被害額も算定できず… バス転換の可能性も捨てきれず

肥薩線では、令和2年7月豪雨により明治期にかけられた球磨川第一橋梁、第二橋梁も流されるなど、八代―人吉のほぼ全線が壊滅的な被害を受け、それから半年が経過した2021年1月現在も八代―吉松79㎞が不通となっています。沿線ではあまりの被害の大きさに復旧は遅々として進んでいないようで、道路も一部で寸断されたままとなっています。肥薩線に関しても、被害額の算定すらできていない状況で、その存続に関しての協議にまでたどり着いていないのが現状です。

しかし、JR九州は当初から「鉄道での復旧」を第一に掲げており、今回の年頭のコメントでもひとまずは存続の議論は後回しにして、復旧方法を探る方針が発表されたことは非常に明るいニュースといえるでしょう。

ただ、復旧費用をめぐっては、今後の治水事業の進め方にもよることから、単独での算出も難しく、治水事業の進展を待って来年度中にも算出される見込みです。国は、事業費の大半を国負担とすることも検討していますが、この金額によってはバス転換も可能性の一つとしてJR九州自身が言及しており、さらに復旧後の経営状況も懸念されることから、依然として予断を許さない状況です。

くま川鉄道は全線復旧を目指す

令和2年7月豪雨で同様に被災し、現在も全線で不通となっているくま川鉄道ですが、こちらは全線復旧に向けて動き出しています。

くま川鉄道は、肥薩線と接続する人吉駅を起点に湯前駅までを結ぶ第三セクター鉄道で、旧国鉄の湯前線を引き継ぎ1989年に開業しました。

沿線には4校の高校があり、毎朝900名を超える通学利用者でにぎわう路線でしたが、令和2年7月豪雨により球磨川第四橋梁が流出、さらに保有車両5両すべてが床下浸水し使用不能になるなど大きな被害が出ました。

くま川鉄道では、事業者の負担がほぼゼロとなる国の支援を活用することとなり、早くも8月には全線復旧の方針を決定しています。

水没した車両5両のうち、1両は何とかエンジンが起動するところまでは確認できたそうですが、残りの4両はまだそこまでは至っていません。その1両にしても起動はしたものの本格的な点検や検査はまだ実施されていない模様です。

それでも、くま川鉄道では復旧の道を選び、鉄道としての存続が決まっています。多くの高校生の足であり、バス転換ではかえってコストが高くつくからということも理由のようですが、やはり地元からの復旧を願う声が大きいことも上げられます。

肥薩線を含め、被災地域の復興はまだこれからというところですが、ぜひとも鉄道が復興のシンボルとして走ることを祈るばかりです。

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