種車はどこから? 銚子電鉄が新型の古い車両を導入で1編成を置き換えへ

社会

※本記事は2023年7月21日に公開したものです。2023年8月17日に銚子電鉄から新たな発表がありました。詳細は「銚子電鉄 新しい古い電車は南海2200系」もご覧ください

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2年連続黒字の銚子電鉄 新しい中古車両を導入へ

2年連続の黒字を達成し、先日開業100周年を迎えた千葉県の銚子電鉄から、また新しいニュースが発表されました。

銚子電鉄は、3編成6両の車両を保有していますが、このうち1編成を「新しい」車両に置き換えるというものです。

これは、2023年7月9日に開かれた開業100周年イベントの「銚電まつり」の中で、同社の竹本社長が言及したもので、車両の老朽化により故障が頻発するようになったため、より信頼度の高い車両の導入となったようです。もちろん、他社からの中古車両ということになり、銚子電鉄によれば導入費用は約5000万円ということで、ファンの間では早速どこからやって来るのかが話題になっています。

現在銚子電鉄が保有する車両は、京王2010系を種車とする2000系2編成と、同じく京王5000系を種車とする3000系1編成で、いずれも伊予鉄道から購入した車両です。銚子電鉄いわく「中古のまた中古」ながら「我々にとってはピカピカの新車」だったそうですが、このうち2010系は1957年(昭和32年)に製造が開始された車両で、2023年現在車齢が60年を超えています。

このため、さすがに各所の老朽化が進んでおり、2022年1月には1編成が検査入場中に故障が生じ、稼働編成が1編成だけになるという事態が発生。修理完了までは減量ダイヤの上に1編成による綱渡り運用となるなど、「もやは限界鉄道」とまたもや自虐ネタが飛び出す結果となりました。

老朽化が進めばこうした事態が増加することは避けられないことから、銚子電鉄では車両の更新に踏み切る模様です。

銚子電鉄の新型車両 導入される形式は何? どこからやって来る?

さて、ではどこから導入されるのでしょうか?

竹本社長がいくつか「ヒント」を出していることから、ネットやSNSでは、様々なうわさが飛び交っています。

「銚電まつり」において竹本社長が出したヒントは、

  • 20m級車両は銚子電鉄には入線できない
  • 2023年度内の導入を目指している
  • 古い車両だが、メンテナンスが行き届いており予備部品もある
  • 北(と思われる)方向を指さし「あっちのほうの本州にある鉄道会社」からやって来る

というものでした。

これらの条件と合致する車両として、SNSなどで候補に挙がっているのは、

  • 静岡鉄道 1000形
  • 北陸鉄道浅野川線 8000系(元京王3000系)
  • アルピコ交通 3000系(元京王3000系)

の3形式です。特に、銚子電鉄が京王重機整備と業務提携したという報道もあり、この件からも北陸鉄道かアルピコ交通の可能性が高い、との意見も見られます。両線とも、他社からの譲渡車両による置き換えで廃車も発生しています。

実は、銚子電鉄では2007年の安全報告書において京王3000系を導入する計画がありました。しかし銚子電鉄の車体規格では、京王3000系のうち入線可能なのは、最初期に製造された2編成4両の幅狭車と呼ばれるグループのみで、導入を断念した経緯があります。この4両は北陸鉄道浅野川線に移籍しており、銚子電鉄にさらに移籍するとすればこの車両である可能性が高そうです。

北陸鉄道8000系
北陸鉄道浅野川線で使用される、8000系 どちらも元京王3000系だが、製造年次により車体に差があり、左は初期編成で車幅が狭い 右は改良型で、最大車幅が拡大されたため裾絞りの車体となり、初期編成の片扉に対して両開き扉を採用している 車幅の狭い初期編成は2編成4両しか製造されておらず、その4両とも北陸鉄道へ移籍したが、東京メトロの03系による置き換えが進んでおり、2023年7月現在1編成2両のみ残存している Wikipedia(北陸鉄道8000系電車)より @TRJN

また、アルピコ交通の所有する3000系は、前述の通り車体規格が合わず、導入するには地上側の大掛かりな更新が必要となります。

いずれの場合も、銚子電鉄は直流600V、北陸鉄道浅野川線とアルピコ交通は直流1500Vのため、移籍には機器類の更新が必要で、導入費用5000万円に収まるかどうかは微妙なところです。

一方、静岡鉄道1000形は、現在A3000形の投入で置き換えが進んでおり、2023年7月16日をもって残り1編成となり、一部は熊本鉄道などへと譲渡実績があります。

静岡鉄道は直流600V、車体長は17.8mで、車体幅も現在銚子電鉄が所有する2010系の2800㎜に対して2744㎜となっており、入線に当たって支障は少なそうです。

静岡鉄道1000形は、1973年(昭和48年)から12編成24両が製造されたが、製造期間は長期にわたっている 2023年7月16日付で引退した1011編成は1984年(昭和59年)製で経年も浅く、タイミング的にも銚子電鉄が導入するのはこの編成ではないかとの噂も 

また、伊予鉄道から現在の2010系を購入した際は、本体価格が4両で48万円だったのに対し、ワンマン改造費が1億6000万円かかったという経緯があるため、すでにワンマン化対応の上記3形式が候補に挙がるのも納得です。

竹本社長より新たな情報 「北のほう」は間違い、中古の中古ではない

そんな中、7月17日になって新たな情報がありました。

この日のYoutube配信に出演した竹本社長は、導入予定の新型車両について、次のように述べています。

  • 導入予定の車両は中古の中古ではなく、中古車両である
  • 北のほうを指さしたように見えたようだが、訂正する (銚子から見て)南か西
  • 詳細は2023年8月中に発表する

この発言からすると、京王3000系を種車にした北陸鉄道、アルピコ交通の可能性はなくなることとなります。

となると、消去法により導入されるのは静岡鉄道1000型の可能性が高い、となりますが、果たして正解はどうなのでしょうか。

詳細は2023年8月に発表され、導入は2024年2月ごろが予定されているということです。

新型車両導入で、現有車両は1編成が廃車に

一部報道によれば、今回の新型車両導入により、銚子電鉄では2010型のデハ2001+クハ2501編成が廃車となる見込みです。

銚子電鉄の所有する3編成のうち、残る2編成はしなの鉄道から譲渡されたリクライニングシートが設置されており、2001編成のみ未設置となっていました。そのため、廃車の発表とともに「リクライニングシートはどうなる」と話題になっていましたが、その運用に変更はないようです。

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