地震で被災ののと鉄道が2月中にも部分復旧へ JR西日本が復旧工事 費用負担は棚上げのまま

社会
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被災ののと鉄道 一部区間が2月中にも復旧へ

2024年1月1日のいわゆる能登半島地震で大きな被害を受けたJR七尾線、のと鉄道七尾線について、2024年2月中旬にも運行を再開できる見通しであることが分かりました。

羽咋―和倉温泉で不通となっていたJR七尾線は、今日1月22から日羽咋ー七尾での運転を再開、残る不通区間は七尾―和倉温泉となっています。また、のと鉄道尾線は至る所で土砂崩れや軌道のずれ、駅施設の損壊が確認され、和倉温泉ー穴水の全線で不通となっており、これまで復旧の見通しは立っていませんでした。

JR西日本 のと鉄道区間の復旧工事も行うことを発表

こうした中、JR西日本は1月19日付のプレスリリースの中で、七尾線のJR区間ともに、のと鉄道区間についてもJR西日本が「復旧工事計画を策定のうえ、速やかに施工を進める」とし、「当面は七尾~能登中島までの区間で概ね2月中旬の運転再開を目指して復旧工事を進めて」いくことを発表しました。

表示されない場合: のと鉄道七尾線の復旧工事着手について

のと鉄道の復旧について触れられたのはこれが初めてで、昨年の豪雨で被災して運休が続く美祢線がまだ今後の方針すら決まらないという状況の中で、実にスピーディーな決定と言えます。また、一部区間とはいえのと鉄道の全廃という最悪の事態は避けられたことになります。

ただし、能登中島ー穴水については、今なお被害実態の調査が続けられており、復旧の見通しは示されませんでした。

費用負担はどうなる? のと鉄道の経営悪化や沿線自治体の負担増も

先日の記事(のと鉄道、七尾線で大きな被害を確認 令和6年能登半島地震 復旧には相当の時間)でも述べましたが、七尾線はのと鉄道が現在運行している区間も含めて所有者はJR西日本で、のと鉄道はJR西日本から施設を借り受けて運行する形式とをとっています。

このため、線路施設をJR西日本が復旧するのは当然なのですが、今回の発表を見る限り費用負担には触れられていません。過去の例から見ても、費用負担に結論が出る前に復旧計画が示されるのは、かなり異例の事態です。

特に、鉄道軌道整備法では赤字の鉄道会社が災害等で大きな損害を受けた場合、実質的に鉄道会社の負担なく復旧工事を行う制度はあります(例えば、南阿蘇鉄道やくま川鉄道など)が、JR西日本の場合は会社自体は黒字であり、この制度は適用されません。かつてはこれが足枷となり、鉄道の復旧に非常に時間がかかるケースがあったため、2018年の法律改正により、会社自体が黒字でも、一定の条件を満たせば赤字路線の復旧について最大で2/3の補助が出るように制度が改めらています。

大船渡線BRT[
東日本大震災でも、鉄道は大きな被害を受けた ただし、赤字のため補助が受けられた三陸鉄道がいち早く復旧したのに対し、当時の法律ではJR東日本に対する補助はなく、鉄道としての存続をあきらめBRTとして存続の道を選ぶ区間が発生し、線路は各地で途切れ途切れになってしまった Wikipedia(気仙沼線・大船渡線BRT)より @Katayokusan

現在のところ、七尾線がこの条件に該当するかどうかはまだ判断が出されていませんが、仮に適用されたとしても1/3はJR西日本が負担することになります。

また、鉄道軌道整備法では、この条件で鉄道を復旧させた場合、同時に長期的な運行の確保に関する計画を作成する必要があります。このため、第三セクター鉄道などの場合は、この制度が適用された場合施設を地方自治体などが保有し維持する上下分離式がとられることがほとんどでした。

2011年の豪雨災害により、只見線は会津川口―只見27.6㎞が長期不通となった JR東日本はバス転換を提案したが、地元自治体からは鉄道による存続を望む声も強く、改正鉄道軌道整備法を適用して復旧費用90億円のうち国・福島県と地元17市町村、JR東日本がそれぞれ1/3ずつを負担、さらに施設は福島県が所有し維持管理を行い、運行費用として年間3億円を地元が負担することとなった 11年に及ぶ不通期間を経て、2022年に復旧した

のと鉄道は、すでに設備を借り受けて運行する上下分離式を採用しており、施設の保有者は自治体ではなくJR西日本です。それでも経営状態は芳しくなく、コロナ禍を含めて11年連続の赤字で、最新のデータでは2022年度も260万円以上7の赤字を計上しています。

このため、今後さらに長期的な経営安定のため経営体制の改善が求められる可能性もあり、今後はJR西日本から施設の買取や復旧費用の自治体への負担、のと鉄道が支払う線路使用料の値上げなどが要求される可能性もあり、のと鉄道を取り巻く経営状態や、沿線自治体の負担は一層険しくなりそうです。

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