鉄道は被害を受けているのか? 戦時下のウクライナの鉄道情報

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戦時下の鉄道は攻撃対象となりやすい

2022年2月24日より、ロシアとウクライナが戦争状態となっています。

全土において交戦が続いている模様で、多数の死傷者が出ている様子も伝えられています。

首都キエフでは、市街戦が開始されたニュースもあり、住民は空襲を避けて地下鉄へ避難しているという報道も繰り返し伝えられています。

戦時下の鉄道は、その大きな輸送力は貴重な戦力となることから、歴史的に攻撃対象とみなされてきました。しかし、軍事力としての役割はもちろん、鉄道は一般市民の生活の足としてもなくてはならないものであり、鉄道の破壊は一般生活にも甚大な影響を与えることとなります。また、鉄道に対する攻撃は非戦闘員を巻き込む恐れも高くなります。

首都キエフ地下鉄 被害はないもののシェルター機能以外は停止

2022年2月27日現在、幸いなことに鉄道に対する攻撃はほとんど行われていない様子です。

首都キエフには、3路線の地下鉄があり、営業距離は67.2㎞となっています。

旧共産圏の地下鉄は、有事の際の核シェルターを兼ねており、実際に市民が地下鉄に避難している様子が報道されています。また、トンネル自体が比較的深いところに作られており、キエフ市内にあるアルセリーナ駅は、地上からの深さが105mという「世界一深いところにある駅」となっています(「鉄道駅標高よもやま話 最も標高の高い駅、標高の低い駅はどこ?」もよければご一読ください)。

現地のキエフメトロTwitterによれば、2月24日(現地時間、以下同じ。日本からー7時間)の時点では地下鉄は無料で開放されており、通常ダイヤで運行されていると発表されています。同時に46の駅がシェルターとして利用できることが案内されています。

現地時間2月25日8時11分、地下鉄の運行状況を伝える投稿 キエフには赤、緑、青で色分けされた3路線があり、赤路線の一部が運休のほかは運行中、と書かれている

しかし、2月24日午後には1路線で部分運休となり、2月26日には1路線がシェルター以外の機能を停止。残る2路線は2月26日午前8時過ぎの情報では引き続き運行されていましたが、同日午前9時過ぎの情報では全路線が運休となっている模様です。

また、地下鉄は警察の管理下に置かれ、避難してきた市民に必要な物資を供給しているほか、市内は平穏と投稿されており、直接的な被害はない模様です。

キエフ市内では、地下鉄の他Kyivpastransによってトラム、路線バスが運行されている キエフのトラムは、1892年の開業でヨーロッパでは3番目に古い歴史を持つ 2022年2月27日現在、運行を停止している模様 Wikipediaより

2月27日午前9時の投稿では、地下鉄に限らず市営及び民間の輸送力は、一般輸送は行わず首都防衛機能の一つとして運用されていることが報告されています。このため、戦闘が拡大すると地下鉄を始めとした交通機関が標的となる可能性があります。

ウクライナ鉄道は全土で輸送を維持している模様

ウクライナ鉄道は、ウクライナ全土に路線を持つ国営鉄道で、日本ではわかりやすくウクライナ国鉄と呼ばれる場合も多くあります。日本の約1.6倍の面積を持つウクライナ全体に約23,000㎞の路線を持ち、旅客輸送はもちろん、貨物輸送も盛んで、ウクライナ国民の重要な足となっています。

ウクライナ鉄道
ウクライナ鉄道は、実際には6つの鉄道会社から成り立っている もともとは旧ソ連の一員としてロシアとの結びつきが強く、ロシアと同じ軌間1524㎜の広軌区間がほとんどを占めている このため、1435㎜の標準軌を採用する周辺国との乗り入れは、台車ごと交換するなど所要時間の増加が問題となっている 徐々に改善されているとはいえ、全体的に旧ソ連時代の旧式設備も多い Wikipediaより

このウクライナ鉄道ですが、2月26日付の発表によれば、ほぼ途切れることなく運行を続けているとしており、鉄道施設への被害もほとんどないということです。

また、鉄道職員は軍の動員リストから外されており、ウクライナ人を安全な地域へ輸送したり、ウクライナ経済のニーズにこたえるための貨物輸送を継続するとしています。

しかし、運行は不安定になっているケースもあるようで、海外のニュース映像からは、数少ない国際列車に先を競って乗り込む様子が見て取れます。なお、動画サイトなどにあるニュース映像からは、市街地を走るトラムの様子や、トロリーバス、バスが運行されている様子を見ることができ、都市内でもある程度輸送は維持されているように見受けられます。

ポーランド国境へ逃れるウクライナ市民、西部の鉄道駅は大混雑
ウクライナ西部の都市、リヴィウから国外へ逃れようとする人で混雑する駅、列車の様子を伝えるイギリスBBC放送のニュース映像 首都キエフからは450㎞以上、ポーランドとの国境にも近く、戦火はまだ及んでいないという 普段であれば国際列車も多く発着する駅だが、運行はかなり不安定なようだ 駅前に発着するトラムもとりあえず運行されているようだ

ただ、鉄道や交通網は、平時であれば運行されていて当然の交通機関です。今のところ鉄道を始めとした交通手段が大きな被害を受けていないことは喜ばしいことで、その後の復興にも大きく影響するはずです。この非常事態が一刻も早く解消するよう願っています。

※これらの情報は日本時間2022年2月27日18時の情報をもとにしています。その後の情勢の変化で現在は必ずしもこの通りではない可能性があります。

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