豪雨被害のくま川鉄道 全線復旧へ前進 国が実質97.5%の費用負担で

社会
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豪雨被害のくま川鉄道復旧へ 国が費用の大半負担で 沿線自治体が協議

2020年7月の熊本豪雨で大きな被害を受け、8月4日現在も全線で運転見合わせが続いているくま川鉄道で、復旧へ向けて熊本県と沿線自治体が協議を始めたことが分かりました。実質的に国が復旧費用の97.5%を負担する制度を活用し、事業者であるくま川鉄道の負担をゼロとすることで早期復旧が実現する可能性があります。

くま川鉄道は、JR九州の湯前線を引き継ぎ1989年に開業しました。開業当初は沿線に5つの高校があり、ラッシュ時には最大5両連結で運転されていました。その後少子化で利用客は減少、高校も4校に統合されましたが、かえって通学範囲が伸び混雑が悪化。朝の乗車率は最高で130%にも上り、これは鹿児島本線博多口の混雑レベルと同等で、地元の新聞にも取り上げられるほどでした。現在も利用客のうち、通学利用が8割を占めています。

先日の豪雨では、球磨川にかかる球磨川第四橋梁が流出、全線にわたって路盤流出などの被害がありました。また、人吉駅に留置されていた保有する車両5両全てが床下水没となり、現在はバス代行が行われています。

被害が甚大であることから、復旧費用の算定もできておらず、熊本県では「橋脚の流出もあり、数十億円規模に膨らむ可能性がある」としていました。

国の制度を活用 くま川鉄道の負担はゼロにして早期復旧へ

今回活用する制度は、大規模災害復興法に基づく「特定大規模災害」の被災事業者を対象とするもので、2016年の熊本地震によって大きな被害を受けた南阿蘇鉄道の復旧に当たり活用されたもので、その後恒久制度とされました。活用に当たっては、復旧後の鉄道施設は沿線自治体が所有、維持し、鉄道事業者は運行に専念するいわゆる「上下分離式」を採用するなどの条件があり、沿線自治体の協力なしには成立しません。今回は熊本県が「朝夕の通学需要が多く、バス輸送ではかえって経費がかかる」との認識を示し、この制度の活用をして復旧を前提とした協議の場を沿線自治体に呼び掛ける予定です。

くま川鉄道 人吉温泉駅
Wikipediaより

この制度では、まず復旧費用を国と沿線自治体で半分ずつ負担し、沿線自治体負担分の大部分は地方交付税として国が交付、沿線自治体の最終的な実質負担額は復旧費用全体の2.5%となります。また、くま川鉄道の負担額はゼロとなり、全額を公費で負担することで早期復旧につながる可能性があります。

くま川鉄道は開業以来30年連続で赤字経営が続き、利用客も開業当初の8割程度に落ち込むなど苦しい経営が続いていただけに、早い段階での公費での復旧が示されたことで、運転再開に期待が持たれることになります。

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