2020大晦日―2021元旦 JR・私鉄・地下鉄の終夜運転 今年は実施せずが多数派に
首都圏や京阪神、北九州地区では、初詣客の利便を図るため、大晦日から元旦にかけてJR・私鉄各社・公営地下鉄による終夜運転や、終電の延長が行われることが恒例となっています。
しかし、今年2020年の大晦日から2021年の元旦にかけては、新型コロナウィルスの拡大もあり、初詣の人出も例年とはかなり異なることが予想されます。このため、鉄道会社においても2020年~2021年にかけての運転体制は、かなり縮小するか、実施を慎重に判断するケースが多くなっています。特にここ数年、大晦日の終夜運行は縮小傾向だっただけに、コロナ禍をきっかけに将来のお正月の風景も様変わりする可能性もあります。
JR・私鉄・地下鉄 2020大晦日-2021元旦 終夜運転実施状況
首都圏 JR・東京メトロは一転中止 私鉄は軒並み実施せず
首都圏ではJR東日本が一部を除き昨年規模の終夜運転を行うことを発表していましたが、12月18日に中止することを発表しました。また、東京メトロも全線で終夜運転を行う発表がありましたが、東京都の中止要請を受けて12月18日に中止を決定しました。その一方、東急電鉄などが早々と終夜運転は実施しないことを発表したのに続き、私鉄のほとんどで実施しないことが発表されています。また、実施するとしていた京成、京王、京急も、東京都の中止要請を受けて実施しないこととなりました。
事業者 | 終夜運転 | 年始特別ダイヤ |
JR東日本 | 発表後中止 | |
東京メトロ | 発表後中止 | |
東京都交通局 | 実施せず | |
東急電鉄 | 実施せず | |
東武鉄道 | 実施せず | 1/1~3 大師線で増発 |
西武鉄道 | 実施せず | |
小田急電鉄 | 実施せず | 1/1 ロマンスカーと各駅停車を計3本増発 |
京王電鉄 | 発表後中止 | 京王ライナー迎春号4本を運転 |
京成電鉄 | 発表後中止 | 1月中の土日祝に臨時特急運転 |
京浜急行電鉄 | 発表後中止 | |
相模鉄道 | 実施せず | |
横浜市交通局 | 発表なし |
中京圏 JR・名鉄は今年も実施しない可能性大 地下鉄は終電延長
中京圏では、かつては大晦日から元旦への終夜運転を行っていましたが、名鉄は2004年、JR東海は2014年を最後に行われていません。今年も特別な発表がなされておらず、例年通り運行されない見込みです。
また、中京圏で唯一終夜運行を行ってきた名古屋市交通局でも、今年は終夜運行を取りやめ、上飯田線を除き午前2時40分ごろまでの終電延長となります。
事業者 | 終夜運転 | 年末年始特別ダイヤ |
JR東海 | 発表なし | |
名古屋鉄道 | 発表なし | |
名古屋市交通局 | 上飯田線を除き2時40分ごろまで終電延長 |
近畿圏 近鉄・京阪は終夜運転実施せず JR・大阪メトロは中止
人口や普段の輸送規模に対して、年末年始の終夜運行の充実している近畿圏ですが、今年は実施しないか、あるいは12月1日午前11時現在未発表となっているところが多くなっています。
沿線に多くの社寺を抱え、50年以上にわたって大晦日の終夜運行の歴史のある京阪ですが、今年は実施しないことを発表、阪急、阪神、南海は当初終電延長を発表していましたが、社会情勢に鑑み中止となりました。
地下鉄だけでなく、例年バス路線も臨時3系統で終夜運行を行っている京都市交通局ですが、今年は京都市内へ乗り入れる阪急・京阪が終夜運行を行わない影響もあり、地下鉄が30分程度の終電延長、市バスも常設3系統4区間で各1便の終バス延長にとどまっています。
有料特急を含め、運行本数が300本と終夜運転屈指の規模を誇る近鉄についても、実施するかしないか自体が保留となっていましたが、12月4日に実施しない発表がありました。
JR西日本は当初京阪神を中心に午前3時頃までの終電延長を発表していましたが、コロナウィルス感染拡大の状況を受け12月15日に一転して中止を発表しました。また、地下鉄・ニュートラム全線で終夜運転を行うと発表していた大阪メトロですが、コロナウィルス感染状況に鑑みて中止することを12月10日に発表しました。御堂筋線と直通運転を行う北大阪急行も同様となっています。
事業者名 | 終夜運転 | 年末年始特別ダイヤ |
JR西日本 | 終電延長中止 | |
大阪メトロ | 発表後中止 | |
京都市交通局 | 地下鉄・市バス常設系統を 0時過ぎまで延長 | |
近畿日本鉄道 | 実施せず | 12/31 定期特急7本を松坂→宇治山田で延長運転 |
阪急電鉄 | 終電延長中止 | |
阪神電鉄 | 終電延長中止 | |
京阪電鉄 | 実施せず | 1/1~3 正月ダイヤ |
南海電鉄 | 終電延長中止 |
福岡圏 西鉄はほぼ例年通り終夜運転を実施
西鉄は、例年通り終夜運転を行うことを発表しています。全国屈指の参拝客数を誇る太宰府天満宮へ向け、天神大牟田線と太宰府線で終夜運行が行われます。
西鉄では、初詣客の分散を図るため、例年1/1~3のみ運行の太宰府線直通の臨時急行を、今シーズンは1/9~11にも運行します。西鉄福岡―太宰府は、通常の土休日ダイヤで太宰府行急行が1日6本のところ、上下合わせて29本の運転となります。なお、増発分は定期列車の行き先または始発駅変更となります。
いずれも今後の感染拡大状況によっては変更されることが予想されます。お出かけの際は最新状況を必ず確認し、感染予防対策や寒さ対策を徹底し体調管理にも気を付けましょう。