大阪モノレールの門真市―瓜生堂の延伸工事着工へ モノレールのメリットって?

社会
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大阪モノレールの延伸工事着工へ

大阪高速鉄道から社名変更した大阪モノレールは、かねてから計画されていた門真市―瓜生堂(仮称)の建設認可が4月1日に降りたことを受け、今年度中にも着工することを発表しています。完成予定は2029年度を予定しており、新たにJR学研都市線、近鉄けいはんな線、近鉄奈良線と接続することになります。

計画では、今回新たに延伸されるのは現在の終点門真市駅から 瓜生堂(仮称) 駅8.9㎞の区間で、途中門真南、鴻池新田、荒本の3駅が設けられ、鴻池新田駅ではJR学研都市線と、荒本駅では近鉄けいはんな線と接続します。終点となる瓜生堂駅には、近鉄奈良線の新駅が設けられます。 すでに開業している区間同様、中央環状線と近畿自動車道に沿って軌道が設置されますが、荒本駅は既存の近鉄駅に合わせる形でやや外れた場所に設けられる予定です。

大阪モノレールは、大阪空港―門真市の本線21.2㎞と、万博記念公園-彩都西の彩都線6.8㎞の2路線を有し、総営業キロ28㎞で日本最長のモノレールです。かつては世界最長のモノレールとしてギネス記録にも掲載されていましたが、現座その座は2011年開業の中国・重慶のモノレールに譲っています。

大阪モノレールの原型となる路線の計画は、もともとは1970年(昭和45年)の大阪万博にまで遡ります。阪急千里線山田駅付近との接続点から、関西本線久宝寺駅付近まで、国鉄・私鉄9路線とアクセスできる万博輸送路線として1966年(昭和41年)に提案されたのが始まりです。結局万博輸送には間に合いませんでしたが、1971年(昭和46年)には北大阪、東大阪、南大阪を結ぶ中央環状鉄道として構想され、 将来的には大阪空港や堺など臨海部を結ぶことも考えられていました。また、この時初めて「モノレール」という言葉が使用されました。

1990年、第一期工事として南茨木-千里中央が開業しますが、沿線にはエキスポランド(当時)くらいの施設しかなく、利用不振に苦しみます。この状況が改善したのは、1997年の大阪空港延伸で、「陸の孤島」と言われていた大阪空港に初めて軌道系アクセスが誕生、同年には南茨木-門真市も開業し、大阪を起点に放射状に延びていた鉄道が結ばれ、北摂地域の重要な足となっています。

モノレールのメリットって何だろう?

さて、そもそもモノレールとして開業する利点というのは、どこにあるのでしょうか。

現在日本には、9つの事業者でモノレールが運行されていますが、実は1国の事業者数としては世界最多となります。

普通の鉄道にはないモノレールのメリットとしては、以下の点が挙げられます。

  • 構造物の大部分が空中にあり、用地として必要なのは橋脚のスペースだけである
  • 加えて急勾配、急カーブにも対応でき、既に形成された市街地でも建設がしやすい

一方で、以下のようなデメリットも存在します。

  • 普通鉄道に比べ、輸送力は格段に劣る
  • 走行抵抗が多く、消費エネルギーが多い
  • 構造が複雑で、メンテナンスに費用がかかる
万博記念公園駅の西側では本線と彩都線が分岐する 分岐器は複雑な構造で装置も大がかり

このため、比較的形成された市街地に新たな路線を建設する場合で、それなりの利用客が見込める場合には、モノレールの利点を最も発揮できるものと考えられます。

ただし、最大のメリットはモノレール建設の際に受ける補助金です。

日本に現存する9事業者のうち、1985年(昭和60年)に開業した北九州高速鉄道以降は、自己敷地内でほぼ完結する東京ディズニーリゾートラインを除きすべて軌道法の適用を受けています。これは、モノレールの建設を路面電車の高架化という位置づけで解釈しているためで、モノレールの建設と道路整備を一体として行うことを定めた「都市モノレールの整備の促進に関する法律」に基づいています。

この法律に基づき、 モノレールのうちインフラ部分(支柱、桁等)を道路の一部として整備するインフラ補助制度が創設されており、モノレールを建設する際はその軌道は道路の一部として建設され、モノレール事業者はそれ以外の運行に必要な部分の経費を負担すればいいことになっています。実際大阪モノレールの延伸に当たり、必要な事業費約1,000億円のうち、大阪モノレールが負担するのは 軌道上の車両や電気線、信号通信線関係など286億円で、軌道そのものや駅の構造物は道路構造物として大阪府が負担することになっています。

道路上を走る多摩都市モノレール 
Wikipediaより

大阪モノレールはほぼ全線にわたり中国自動車道、近畿自動車道、そして中央環状線に沿って縫うように走っています。そのほかのモノレールも道路上に建設されているケースが非常に多くなっていますが、その秘密はこの建設費の負担と補助の問題が大きくかかわっているのです。

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