どうなる肥薩線の存続問題 鉄道での復旧費用は235億円

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豪雨で被災の肥薩線 復旧費用は235億円

2022年3月22日、国、熊本県、JR九州の3者は、2020年7月豪雨で不通となっている肥薩線の復旧を巡って会合を開き、この席上で鉄道としての復旧を前提とした議論を行うことで合意しました。

これを受けてJR九州は2022年3月23日、肥薩線の復旧費用が現時点で235億円に上ることを明らかにしました。熊本地震で被災した肥薩線の復旧費用90億円を大きく上回り、JR九州としては過最大の災害復旧費用となります。

肥薩線は、いわゆる2020年7月豪雨で大きな被害を受け、2022年3月現在も八代-人吉86.8㎞が不通となっています。特に沿線のハイライトであった球磨川第一橋梁、球磨川第二橋梁が流出、路盤や駅施設の損傷も激しく、被災個所は450か所にも及んでいます。

復旧費用のうち、流出した球磨川第一橋梁関連が64億円、球磨川第二橋梁が61億円で、この二つの橋梁関連だけで全体の半分以上を占めています。いずれも明治時代の竣工で、現在の建設基準に当てはめると橋脚数や水面からの高さ基準を満たさないことから、新たに橋脚の建設やかさ上げが必要となり、さらに隣接するトンネルの改修も必要となることが、コストを押し上げる結果となっています(「どうなる肥薩線の復旧 流出の球磨川第一橋梁 現行基準では再建困難」もぜひご一読ください)。

肥薩線の復旧 ひとまず鉄道としての存続を前提へ JR九州は慎重姿勢崩さず 

肥薩線は、被災前から年間で9億円の赤字が出るなど、利用状況は芳しくなく、JR九州は被災直後から「単独での復旧は困難」として、仮に復旧したとしてもその後の運営方法を含めて慎重な姿勢を見せていました。

2020年7月豪雨では、球磨川沿いの道路も大きな被害を受けたため、肥薩線の不通区間の一部は、応急道路として使用されている 廃線同然の姿に、復旧を絶望視する声も強い Wikipediaより

今回の会合では、熊本県が「地元の重要な足で地域の在り方を大きく左右する」として鉄道としての存続を求めたのに対し、JR九州は「過去に負担したことのない規模で、経営判断に大きく関わる事項、これほど大きな復旧費を見ると復旧の方向性に悩む」として、依然として慎重な姿勢を見せています。一方、国からは肥薩線の復旧費用について、河川や道路と一緒に公共工事とすることで、JR九州の負担を軽減する案が示されました。

また、肥薩線の存続問題については、まだまだ結論には至っていないものの、ひとまず鉄道として存続させることを前提に今後の協議がもたれることが確認されました。

しかし、実際の復旧にはまだ予断を許さない状況です。特にJR九州は復旧費用が高額であることに加え、復旧後の維持についても問題となることから、慎重な立場を崩していません。今回の協議の結果を受けた発表でも、「国や県の力を借りながら、今後肥薩線についての検討を進めてまいりたい」と、復旧ではなく検討述べるに留まっており、最終的な結論が出るまでには相当の時間がかかりそうです。

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