2021年6月終了 列車にかけることもできた新幹線の公衆電話サービスとは? 1988年時刻表も見てみよう 

新幹線
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新幹線公衆電話 2021年6月で終了

新幹線を運行するJR5社は、新幹線の車内に設置している公衆電話について、2021年6月でサービスを終了することを発表しました。携帯電話の普及で近年は利用が低迷しており、JR東日本によれば、列車運行10回につき1回の利用があるかないかという程度だったということです。2020年12月にはトンネルを含めた全区間で携帯電話の通話が可能になったことを受け、6月7日以降順次利用が停止となります。なお、公衆電話撤去後のスペースの利用方法については、未定ということです。

新幹線の公衆電話とは? その歴史とサービス内容

携帯電話が普及する前は、新幹線に限らず多くの列車にも公衆電話が設置されていました。その歴史を遡れば、1957年(昭和32年)の近鉄特急が最初と言われています。国鉄では1960年(昭和35年)に151系『こだま』『つばめ』に設置されたのが始まりで、いずれも通話可能なのは沿線の限られた地域のみでした。

1980年代以降は、テレホンカードの普及で現金の取り扱いが不要となったため機械の小型化が可能となり、在来線の特急列車はもちろんのこと、料金不要の私鉄特急や一般車に取り付けられる例も増加しました。通信環境も整備が進み、日本各地への通話も当然可能でしたが、いずれも2000年代以降は利用が減少し撤去する例が多くなっています。

新幹線の公衆電話は、東海道新幹線開業翌年の1965年(昭和40年)に設置されました。と言っても、業務電話の一部を開放したに過ぎず、電話機は売店脇に設置され、通話先は売店係員に取り次いでもらい料金は手渡しというものでした。1972年(昭和47年)には独立した電話機が設置されましたが、ダイヤルはなく、受話器を上げると沿線にある交換局につながり、交換手に通話先を伝えて接続していました。通話可能なのは交換局の立地と容量の都合上、東海道新幹線沿線に限られました。また、一部トンネルなどでは、通話が途切れることもあったそうです。

0系に備えられた公衆電話 テレホンカードが利用でき、全国への通話が可能となった以降のもの 同時に通信容量が増加し、2両に1か所の公衆電話が設置できるようになった しかし利用の減少で2005年以降は4両に1か所となっていた
Wikipediaより

山陽新幹線区間も同じ通信体制とされたため、東海道・山陽新幹線が全線開業した後も通話可能なのは沿線の13都府県に限られ、引き続き交換手を経由する手法がとられました。一方、東北・上越新幹線では通信環境が向上し、ダイヤル式の自動発信電話機が設置され、開業当初から全国と通話が可能でした。東海道・山陽新幹線で通信環境が更新され、全国へ自動発信できるダイヤル式の公衆電話が設置されたのは、1989年3月のことでした。

専用番号は107 走行の新幹線へも電話が発信できた? 

また、走行中の列車へかけることもできました。この場合、専用番号である107に電話をかけて、通話したい列車、相手の名前を交換手に伝えます。交換手は列車を呼び出だし、呼び出しを受けた列車内では車内放送で乗客に電話がかかっていること、電話口まで来てほしい旨を伝え、相手が電話口に出れば今度は逆の手順で発信者を呼び出して通話となります。列車内ではだれがが電話を受ける必要があるため、電話で呼び出せる列車は食堂車や売店など常時人がいる施設のある列車に限られていました。

この場合も、東北・上越新幹線の場合は全国から通話が可能でしたが、東海道・山陽新幹線は1989年3月までは沿線13都府県からの発信に限られていました。また、通信会社の違いもあり、このサービスを利用できるのは東海道・山陽新幹線と東北・上越新幹線だけで、その他の新幹線では当初より利用は想定されていませんでした。かつては相当の利用があったそうですが、携帯電話の普及により次第に利用がなくなり、2004年6月限りでサービスを終了しました。

0系のビュッフェ車両である37形 車内への電話の取次ぎには、こうした誰かが常駐している設備が必要だった 電話の取次ぎ依頼が来ると、「〇〇市にお住いの△△様~」という呼び出し放送がかかった 
Wikipediaより

復刻版時刻表1988年3月号 営業案内にも列車内電話の記載が

たびたびご紹介している時刻表完全復刻版1988年3月号ですが、こちらも列車内電話に関する案内が記載されていますので、ご紹介します。

掲載されているのは、巻末ピンクの「JR線営業案内」のページで、「列車内電話」として半ページを割いて記載されています。その内容は以下の通りでした。

時刻表1988年3月号記載の列車内電話の案内

●東海道・山陽新幹線

東海道・山陽新幹線の列車内と、東京都から福岡県までの沿線都府県内との間で通話ができます。列車内へかける場合は、次の表の番号へお申し込みください。

通話できる地域電話番号
東京(03地域)107
東京都(上記と伊豆・小笠原諸島を除く)
神奈川県・静岡県
(03)107
名古屋(052地域)107
愛知県(上記を除く)
岐阜県
(052)107
大阪(06地域)107
大阪府(上記を除く)
滋賀県・京都府・兵庫県・岡山県
06(107)
福山市(0849)・東城(08477・08478)地域
広島(082地域)
107
上記を除く広島県
山口県 岩国(0827)・柳井・久賀(0820)・下松(0833)・徳山(0834)地域
(082)107
山口県(上記を除く)
福岡県(下記を除く)
北九州(093地域)
(093)107
北九州(093地域)107

●東北・上越新幹線

東北・上越新幹線の列車内は、全国各地との間で通話ができます。列車内へかける場合は、次の表の番号へお申し込みください。

線名通話のできる地域電話番号
東北新幹線東京(03地域)107
仙台(022地域)107
その他の地域から(022)107
上越新幹線東京(03地域)107
新潟(025地域)107
その他の地域から(025)107

●ビュフェを営業していない列車では、電話の扱いもしていません。

●列車内へかける場合は、呼び出し料金が100円加算されます。列車内からかける場合は、100円硬貨をご用意ください。車内からコレクトコール(90円加算)もできます。

●一部の在来線特急にも、グリーン車を中心に公衆電話のついた車両があります。車内から全国各地へ通話できますが、着信はできません。また、通話のできる区間が限られている列車もあります。

注)コレクトコールとは、着信者負担の通話です。一般的には、まずコレクトコール会社のオペレーターに通話して相手を呼び出してもらい、オペレーターが着信者へコレクトコールが入っている旨を通知、着信者が了承すれば通話開始となります。

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