長崎新幹線 愛称は『かもめ』に決定 N700S系を投入

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長崎新幹線の愛称が『かもめ』に決定 車両はN700S系

2022年度の武雄温泉―長崎の開業を目指して工事の進められている九州新幹線西ルート、通称長崎新幹線について、JR九州は開業後の列車名を『かもめ』とすることを発表しました。同時に投入する車両については、N700S系と決定しました。車内のインテリアやデザインは、今やJR九州の顔ともなった水戸岡鋭治氏率いるドーンデザイン研究所が担当、新幹線と現在の『かもめ』から連想される白とコーポレートカラーの赤を基調としたデザインとなる予定です。

白を基調としたグリーン車の車内インテリア案
JR九州プレスリリースより

『かもめ』の列車名は、1953年(昭和28年)に京都―博多の特急列車として誕生、1961年(昭和36年)のダイヤ改正でこれを京都―長崎・宮崎と改めるにあたり、以来長崎本線を代表する列車として『かもめ』が誕生しました。

1975年(昭和50年)の新幹線博多開業でいったん廃止となりましたが、翌1976年(昭和51年)改正で長崎本線・佐世保線の全線電化が完成すると、博多―長崎を結ぶ特急として再び運転を開始、同時に誕生した佐世保線の『みどり』との併結運転を行う現在の運行体系を確立しました。

また、N700S系は、汎用新幹線として編成両数の組み換えができる利点を生かし、長崎新幹線用として6両編成で運行される予定です。

未開業区間は『リレーかもめ』が接続運行

現在特急『かもめ』に使用される885系 
Wikidediaより

在来線のまま残される鳥栖―武雄温泉については、博多から在来線を経由する『リレーかもめ』が運行されます。長崎新幹線のうち、佐賀県内を通る新鳥栖―武雄温泉は着工のめどが立たないことから、当面の間は武雄温泉駅での接続運転がとられる予定です。

新幹線を含めたダイヤや、在来線の使用車両についてはまだ発表がありませんので、続報を待ちたいところです。

佐賀県の主張 費用対効果を考え、在来線を維持すべき

一方、この列車名について反対しているのが佐賀県です。

将来にわたって在来線の維持を主張する佐賀県は、「将来的には在来線の優等列車を新幹線にシフトする布石だ」として、この列車名に不快感を示しています。

そもそも佐賀県は一貫して、フル規格での新幹線建設に反対してきました。その理由は「費用対効果」と「在来線を守るため」でした。

現在の枠組みでは、新幹線の建設には相当の「地元負担」が求められることになり、佐賀県でも600億円程度の建設費負担が予定されています。また、長崎本線は、「並行在来線」としてJRから経営分離し、佐賀県など沿線自治体が経営する第三セクター鉄道となる見込みです。単価の高い特急列車の利用客が新幹線に移ってしまえば、将来にわたる安定経営は見込めません。

実用化にめどのつかないフリーゲージトレイン
Wikipediaより

当初佐賀県が了承していた長崎新幹線の計画案は、佐賀県内は在来線を活用して高速化を行うというものでした。これであれば建設費の最小限で済み、在来線の経営もJR九州が行って佐賀県の負担も少なく将来の路線維持にも問題はありません。もちろん佐賀県だけでなく国やJRの新幹線自体の建設費も大きく圧縮できるはずで、所要時間はフル規格新幹線に比べれば長くなりますが、費用対効果としては十分に見込めるはずでした。ところが、社会情勢や技術的問題でこの話はなしとなり、代わって全線をフル規格で新たに建設する案が浮上、佐賀県の了承を取り付けることなく長崎県内の工事が始まってしまいました。

博多―佐賀は現在特急『かもめ』が45分程度で結んでいますが、新幹線開業後は15分短縮の30分程度となる予定です。わずか15分の短縮のために莫大な建設費を支払い、さらに経営的に見込めない第三セクター鉄道を将来にわたって負担しなければならないのなら、新幹線などいらない、というのが佐賀県の主張です。現在の法律では、地元自治体の合意がない限りは新幹線の建設は認められません。

一部報道では、佐賀県のわがままであるとか、合意の破棄であるとかいう表現もありますが、そもそも佐賀県はフル規格新幹線について一度も合意していないのです。また、費用対効果を考えた上での判断というのも、これまでの新幹線ありきの建設工事に一石を投じるものだと思います。

※トップの写真は、JR九州のプレスリリースより引用

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