はりまや橋交差点 日本で唯一路面電車が平面交差するところ
はりまや橋と言えば、高知の観光名所として有名な場所で、高知市の中心街の交差点名ともなっていますが、鉄道ファンにはもうひとつ、日本で他にはない場所としてよく知られている場所です。それは、はりまや橋交差点は日本で唯一、路面電車同士が平面交差する交差点なのです。
かつて路面電車が全盛だったころは、交差点での路面電車同士の平面交差は日本中のあらゆる都市で日常的に見られた光景でしたが、路面電車が全国的に縮小された今、残されているのはここはりまや橋交差点だけとなり、当ブログでも「魅力いっぱいのとさでん交通 平面交差にタブレット交換など」でご紹介ました。
はりまや橋交差点は、路面電車の平面交差というそれだけでも貴重な存在なのですが、さらに4方向へ右左折の線路も備わっており、時間帯によっては平面交差交差点を右に左に曲がる電車を見ることができます。
はりまや橋交差点 トリプルクロスとは？ 3両の電車が同時に右左折
さて、数年前からこのはりまや橋交差点でひそかに有名になりつつあるのが、この「トリプルクロス」。これは、はりまや橋交差点に同時に3両の電車が進入し右左折していくというもので、当然ここでしか見ることはできません。
はりまや橋交差点は、もともと3方向にのみ左折用の線路が敷設された交差点でしたが、2005年に交差点改良でこれを4方向に設置、さらに高知駅前からいの方面のみ右折用線路も敷設されました。
物理的にはこれで3両の電車が同時に進入できるようになりましたが、この時点ではトリプルクロスはありませんでした。これが実現したのは2017年のダイヤ改正で、平日の朝に1回のみ、この光景が見られるようになりました。
もっとも、運行状況が道路事情に左右される路面電車ですから、必ずしも毎日見られるとも限りません。そもそも、通常のダイヤではトリプルクロスは実現せず、信号のタイミングや乗降時間で微妙にダイヤに乱れが生じた場合にのみ、割合的には月に数回程度発生するというレアな光景です。
具体的には、タイミングさえ合えば平日ダイヤ運行日の朝8:12頃、
- 西（県庁前方面）から北（高知駅方面）へ左折する電車
- 北（高知駅方面）から西（県庁前方面）へ右折する電車
- 東（知寄町方面）から、南（桟橋方面）へ左折する電車
が同時に交差点へ侵入する光景を見ることができます。
8時12分、運よく見られるか？ 実際行かなくてもライブカメラが公開された
非常に気になる光景で、鉄道ファンとしては一度はぜひ見てみたい光景ですが、この度現地へ足を運ばなくても交差点のライブカメラの配信が始まりました。
このライブ配信は、旅行を控えている県外の人たちに高知を知ってもらうとともに、なかなか帰省できない県出身者に高知を思い出してもらおうと、県地産外商公社などが企画しました。カメラは交差点に南西角に建つ四国銀行本店に設置され、はりまや橋交差点を俯瞰する形で捉えています。
なお、メンテナンスや通信状態により、配信が停止していることがあります。その場合、トリプルクロスを含む以下の録画映像が配信されています。
トリプルクロスが見られるのは、平日ダイヤ運行日の8:12頃で、先ほどもご紹介した通り必ずしもみられるとは限りません。朝の忙しい時間帯ではありますが、見られると何かいいことがあるかも知れません。
交差点角のホテルでは、平面交差を見下ろす「トリプルクロスプラン」も
はりまや橋交差点の北西角に位置する「西鉄イン高知はりまや橋」では、交差点を見下ろす部屋限定の「トリプルクロスプラン」も販売されています。トリプルクロスが見られるかどうかは運次第ですが、交差点を行き交う電車や自動車を見るだけでも結構楽しめそうです。
まだまだコロナ禍で旅行は制限されそうですが、高知へお出かけの際はぜひこちらへの宿泊もご検討ください。
