山手線52時間の運休は何のため? 大きな混乱なく終了

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山手線 JR発足後最長となる52時間の区間運休 大きな混乱なく終了

東京の都心部を循環する山手線で、2021年10月23日から24日かけて内回りの池袋ー渋谷ー大崎が全面的に運休となりました。運休時間はじつに52時間に及び、JR東日本発足後としては過去最長の運休となりました。

外回りは通常通りの運行が可能でしたが、区間運転となる内回り電車が折り返す必要があったため、通常ダイヤより大幅に間引いた本数となりました。このため、並行する埼京線や湘南新宿ラインでは臨時列車が増発され、新宿止まりの相鉄線からの直通列車が池袋まで延長されるなど、普段はない行先が見られることとなりました。また、京浜東北線も日中の快速運転を中止しました。

運休中の様子は、SNSでも話題となっており、数多くの動画や画像がアップされています。事前の報道では、混雑や混乱を予想するものも多く見受けられましたが、そもそもコロナ禍で利用が低調なことも手伝って、大きな混乱は起きなかった模様です。

工事終了後は、内回りホームが最大5.1mも拡張され、さっそく様変わりしたホームがSNSにも多数投稿されています。

渋谷駅が開業したのは、1885年(明治18年)3月のこと。品川―赤羽(現在の山手貨物線)の開業と同時に誕生しましたが、当時は貨物輸送のために作られた路線で、あえて人家のない山の手側に設置されたこともあり、初日の乗降客はなんと0人。開業翌年、翌々年も1日平均15人前後で、現代からはとても想像もできないものでした。

その後、玉川電気鉄道(現在の東急田園都市線)や東京横浜電鉄(現在の東急東横線)、帝都電鉄(現在の京王井の頭線)が昭和初期までに開業、1938年(昭和13年)に東京高速鉄道(現在の東京メトロ銀座線)も乗り入れた他、1934年(昭和9年)には東横百貨店(現在の東急百貨店)も開店し、現在に至るターミナル駅の様相が完成しました。山手線の利用客も順調に増加し、開業当初は現在の内回りホームで両方向の電車が発着していましたが、利用客の増加で1930年代には現在の内回りホームを増設、今回の改良前の姿が完成しました。

戦後はターミナルとしての地位が一層高まり、1955年(昭和30年)に1日20万人だった国鉄渋谷駅(この時点では山手線の単独駅)の乗降客は1957年(昭和32年)に40万人、1967年(昭和42年)に60万人となり、最盛期の2007年には90万人となっていました。なお、その後東京メトロ副都心線の開業や、埼京線・湘南新宿ラインなどの開業で乗り換えの必要性が低下したことから、2019年の乗降客は73万人まで減少しています。

山手線の長期運休 何のためだった?

今回の山手線の長期運休は、渋谷駅の工事が原因でした。

渋谷駅は、JRの他東急電鉄や東京メトロ、京王井の頭線などが乗り入れる日本での有数のターミナル駅です。2010年に東京都と渋谷区が渋谷駅街区基盤整備方針を発表して以来、2026年の完成へ向けて再開発事業が進められています。これまでにも、東急東横線の地下化や埼京線ホームの移設、東京メトロ銀座線の移転など、列車の運休を伴う大規模な工事が行われてきました。

今回の工事も、その再開発事業の一環として、現在上下線で分かれている山手線ホームを将来は1面化するため、その準備として内回りホームの拡幅が行われることとなり、線路の移設を伴うことから、2日間にも及ぶ運休となりました。作業は、できるだけ運休時間を短くして影響を最小限とするため、通勤ラッシュを避けて土曜、日曜で終了する予定が組まれました。このため、延べ3300人という大量の作業員が投入され、まさに人海戦術で工事が進められました。その様子はSNSにも多数投稿され、列車の運休そのものよりも、作業員の数に圧倒されたというものもありました。

渋谷駅山手線ホーム改良

また、電車の折り返し設備の都合上、折り返し駅として池袋と大崎が選ばれたため、山手線でも最も利用客の多い区間である池袋―新宿―渋谷―大崎が運休となったのでした。

長い間JRとしては山手線の単独駅でしたが、1996年に埼京線の恵比寿延長に伴って山手貨物線上にホームが新設されます。しかし、線路すぐ脇に当時は地上だった東急東横線の駅があったため、山手線の渋谷駅からは外れた位置に設置され、乗り換えに最低でも5分程度が必要でした。

2013年に東急東横線が地下化されたため、乗り換えの不便さを解消すべく5段階に分かれたJR渋谷駅の改良工事が始まり、2018年にまず埼京線線路の移設、そして2020年に埼京線ホームの山手線横への移設が行われ、今回は第三段階として山手線内回りの移設とホームの拡幅が行われました。

また、工事の進捗に合わせて南改札と中央改札が移設され、中央東改札と中央改札が統合されました。

今後の渋谷駅は? 工事はまだ続く?

渋谷駅再開発イメージ
渋谷駅周辺 再開発のイメージ 渋谷区Webサイトより

JR東日本の発表によれば、渋谷駅は今後第四段階として山手線外回りの線路移設と拡幅、第五段階として山手線ホームと線路のかさ上げが予定されています。

渋谷駅改良工事

また、駅ビルの建設や歩行者動線の新設、駅前広場などの再整備が行われる予定で、すべてが完成するのは2026年度の予定です。

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