小浜線、京都丹後鉄道でキハ189系による臨時列車が運転
JR西日本は、2023年10月~11月にかけて、キハ189系を使用した企画列車を小浜線を中心に運行することを発表しました。
JR西日本が発表した運行計画は以下の通りです。
- 10月7日、21日、11月4日、18日(いずれも土曜日)
- 小浜→城崎温泉(京都丹後鉄道経由)
- 10月8日、22日、11月5日、19日(いずれも日曜日)
- 城崎温泉→小浜(京都丹後鉄道経由)
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1046 | ┐ | 敦賀 | 1610 |
1100 1119 | ↓ | 美浜 | ↑ |
↓ | 1111 1130 | 十村 | ↑ |
↓ | ┘ | 上中 | 1522 1511 |
1151 1211 | 小浜 | 1500 1459 | |
↓ | 若狭本郷 | 1444 1422 | |
1234 1318 | 若狭高浜 | ↑ | |
1304 1401 | 西舞鶴 | 1348 1313 | |
↓ | 天橋立 | 1238 1223 | |
1539 1540 | 夕日ヶ浦 木津温泉 | 1147 1146 | |
1619 1649 | 豊岡 | 1115 1101 | |
1659 | 城崎温泉 | 1046 |
各停車駅では、観光PRや特産品の販売などのイベントが予定されています。
表示されない場合: 敦賀~城崎温泉を横断! ~キハ 189 系団体臨時列車の設定について~
なお、発表にもある通り、団体臨時列車として運転されるため、乗車には旅行会社の企画するツアーへの参加が必須となります。
また近年、迷惑を顧みない一部の人物による撮影トラブルが、悲しいことに恒例行事となっています。私有地や鉄道敷地の立ち入り禁止、列車の運行やその他の交通の通行を妨げない、などは、マナーではなく法律によるルールです。自動車で来た場合、踏切前後10mの駐停車や、3.5m幅の通行幅を確保できない駐車は、駐車禁止等の標識がなくても違反です。また、一般人からすれば撮影者は招かれざる人物で、撮影の際は地元の方や鉄道の利用者が最優先です。もちろん、撮影者同士もお互いが楽しめるよう、ルールやマナーを守って撮影しましょう。
2024年秋 キハ189系による新たな観光列車が運転開始
今回の臨時列車の運行に先立って、JR西日本はキハ189系を改造した新たな観光列車の運行を発表しています。
運行開始は2024年度で、北陸デスティネーションキャンペーンに合わせてまずは敦賀―城崎温泉を小浜線、舞鶴線、京都丹後鉄道、山陰本線経由で運行される予定となっており、今回の臨時列車はその先行イベントとしての意味合いもあるようです。
この新たな観光列車の概要は、2022年10月に発表されており、それによると「季節ごとに、運行エリアを変えて、お客様と各地域を結び、地域のとっておきを発信する」ことがテーマとなっており、走行区間を選ばないキハ189系が選ばれた模様です。
デザインは、越後トキめき鉄道の『雪月花』などをデザインした株式会社イチバンセン代表の川西康之氏が担当、3両編成で定員は54名と、改造前の1/3程度となり、ゆったりとした高級志向の車両となります。改造費は、3両で約4億8000万円となっています。
表示されない場合: 特別な旅を創る新たな観光列車 ~2024年秋 デビュー~
外装は紋付き染めで最高級とされる檳榔子染めの色をベースに、黒褐色に金色でツタをイメージしたアクセントが入れられます。室内は4人用の個室やフリースペースも設置され、料金はグリーン車以上と発表されていますが、列車名などを含めた詳細は後日発表ということです。
小浜線での運行終了後は、主に西日本各地での運行を予定しているということです。
引く手数多のキハ189系 編成数は足りているの?
ところで、気になるのがキハ189系の編成数です。
『はまかぜ』の定期運用の他、冬季にはほぼレギュラーともいえる『かにカニはまかぜ』1往復も担当します。また、ことあるごとに臨時列車や団体列車、さらには修学旅行列車にも駆り出され、まさに東奔西走の活躍を見せています。このうち1編成が観光列車に改造されるとあって、果たして運用は賄えるのか、ということが少し気になります。
キハ189系は、『はまかぜ』に使用されていたキハ181系の置き換え用として、2010年に製造されました。3両編成7本の21両が製造され、吹田総合車両所京都支所に配置されています。定期運用としては上記の『はまかぜ』3往復と、平日夜の上り『びわこエクスプレス』1本を受け持っています。
実は、キハ189系7編成のうち、定期運用は下記の2運用のみとなっています。
- 向日町→(回)→大阪→(はまかぜ1号)→鳥取→(はまかぜ4号)→大阪→(はまかぜ5号)→豊岡
- 豊岡→(回)→城崎温泉→(はまかぜ2号)→大阪→(はまかぜ3号)→香住→(はまかぜ6号)→大阪[→(びわこエクスプレス2号)→草津]→(回)→向日町 ※[]は平日ダイヤのみ
通常『はまかぜ』は3両編成ですが、多客期を中心に6両編成となることもあり、この場合全列車を6両化しても所要数は4編成、さらに『かにカニはまかぜ』で1運用が増加し、通常3両のところに6両で運転したとして所要数は6編成ということになり、観光列車改造ので1編成が離脱するまでははさらに1編成が波動用として残っていた計算となります。ピークシーズンでこの状態なので、オフシーズンには極めて余裕のある運用が組まれていることとなり、なるほどこれなら観光列車の改造対象となるのも納得です。
※いつもご愛読いただきありがとうございます。次回は8月22日ごろの更新を予定しています。