伯備線『やくも』で最後の活躍をする381系とEF64貨物を撮りに行ってきました

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2024年春以降に順次新型車両へ置き換え 伯備線『やくも』を撮ってきました

伯備線を走る特急『やくも』は、1982年(昭和57年)の電化完成以来381系が使用されてきましたが、JR西日本は2024年度にも新型車両275系を投入し、『やくも』を置き換えることを発表しています。

投入は2024年春以降とされ、最終的に4連×11本の44両が投入される見込みです。一斉置き換えではなく、順次置き換えとされていますが、近いうちに最後の国鉄型特急車両となった381系は、引退することとなります。

引退迫る中、伯備線の381系を追ってみました。

キハ181系から381系 特急『やくも』の歴史

『やくも』に381系が投入されたのは、伯備線電化となった1982年(昭和57年)改正でした。

急カーブの続く伯備線には、投入車両として標準型の183系ではなく振り子機能の付いた381系が選ばれました。

スーパーやくも塗装が復刻された381系
JR化後『やくも』には何種類かの塗装が施されてきたが、2007年以降は全列車が『ゆったりやくも』となっていた 381系の置き換えがアナウンスされたため、2023年2月からは『スーパーやくも』塗装の復刻が行われている 撮影場所は伯耆大山―岸本で、農道から撮影しているが、それなりに通行量はあり、自動車を止める場所は少ない 撮影:鉄道模型モール制作室
伯備線115系
岡山地区には227系の投入が進むが、2023年8月現在は総社までの運用で、伯備線のローカル運用のほとんどは115系が担う 塗装はそれぞれ変更されているが、381系と115系の組み合わせはまるで国鉄時代か、1990年代で時が止まっているような光景 撮影:鉄道模型モール制作室

投入当初はサロを含む9両編成で、9編成81両が開設されたばかりの出雲電車区に投入されました。それまではキハ181系による運行で、食堂車を含んだ最大11両の堂々たる編成で運行され、運行区間も益田や浜田まで足を延ばす列車もありましたが、電化を機に岡山―出雲市(のちに知井宮=現在の西出雲)に整理されました。

大山のふもとを走る伯備線の115系
この日は台風の影響であいにくの天候で、本来ならその全容が見えるはずの大山も残念ながらかすんでしまった 日本海側から見る大山は、裾野が広く、そびえたつというよりは雄大な景色が眺められる その大山のふもとをMT54のモーター音も高らかに115系が駆け抜けていく 撮影:鉄道模型モール制作室

キハ181系での運行開始当初は1日4往復でしたが、電化の時点で8往復となり、国鉄最後の1986年(昭和61年)改正ではさらに1往復増発される代わりに6両編成化されました。この際、サロを連結するために中間電動車の先頭車化改造が行われ、新形式クモハ381が誕生しています。

写真の『やくも』9号は本来は復活国鉄色で運行されているが、撮影日は全検入場中で『ゆったりやくも』色の通常編成だった この先はカーブになっており、先頭車両はすでに振り子が作動しているようだ この写真は伯耆溝口駅付近の農道から撮影 国道へ続く踏切があり大型車両も通っていたので、自動車で来る場合は通行の妨げとならないよう注意が必要 撮影:鉄道模型モール制作室

JR化後はたびたびテコ入れも行われ、1994年改正では速達タイプの『スーパーやくも』が誕生し、当時の『スーパーくろしお』に準じたパノラマグリーン車を連結した専用編成が使用されました。速達タイプは利用者に好まれたのか、最盛期には『やくも』全列車のうち半数が『スーパーやくも』となった時期もありましたが、車両運用上の都合もあり『スーパーやくも』は2006年改正で廃止。全列車の所要時間が平均化されました。それに代わって、2007年からはリニューアル編成の『ゆったりやくも』が登場しています。

2021年改正で『踊り子』系統から185系外引退したことに伴い、国鉄型車両を使用した最後の特急列車となっていましたが、すでに述べた通り2024年以降は新型車両が投入され、381系は置き換えられる予定です。

ローカル線だった伯備線 新幹線開業で一躍幹線に

伯備線は、岡山県の倉敷駅から鳥取県の伯耆大山駅を結ぶ、138.4㎞の路線です。

運行形態としては、倉敷駅、伯耆大山駅を始終とする旅客列車はなく、山陽本線の岡山や山陰本線の米子、出雲市まで直通する列車が主体となっています。

伯備線の貨物列車
伯備線のもう一つの主役と言えば、やはりEF64がけん引する貨物列車 4往復が岡山―伯耆大山に設定され、日中に走行する姿を見ることもできる EF64は、首都圏ではわりとメジャーな存在だが、西日本では伯備線が唯一の定期運用 なお、JR貨物はEF64について全般検査を行わないこと発表しており、数年以内で稼働機がなくなることになる 伯備線の後継機についてはまだアナウンスはない 撮影:鉄道模型モール制作室

もともとは中国地方のローカル線に過ぎませんでしたが、1972年(昭和47年)の山陽新幹線岡山開業の際、新幹線と島根県の最短ルートとなることから、一躍主要幹線としての地位を獲得、この時に新幹線連絡列車として特急『やくも』が誕生しました。

当初はキハ181系による運転で、ローカル線としては異例の新製配置となり、食堂車を含む基本8両+付属3両の堂々たる編成でした(付属編成は山陰本線では運用されない場合あり)。

伯備線115系
もともと山岳路線に短編成で使用されることを想定して製造された115系だが、2両編成での運転は想定外で、国鉄時代のうちに新形式クモハ114が改造により誕生している 2001年改正で伯備線でワンマン運行を始めるにあたり、従来の3両編成に代わって2両編成を投入することとなり、こちらもモハ114改造のクモハ114‐1000番台が用意された 改造費節約のため、正面は切妻非貫通構造を採用し、115系というよりはどちらかというと103系に近い外観となった 撮影:鉄道模型モール制作室

この時点では、『やくも』は1日4往復でしたが、この他に岡山ー浜田・小郡を結ぶ急行『しんじ』も運転されていました。急行が主体の陰陽連絡列車の中で、新幹線連絡という重要な役割を与えられた伯備線には、新製配置されたキハ181系による特急列車の運行という当時としては破格のサービスが提供されていました。

1982年改正では、伯備線とそれに続く山陰本線の伯耆大山ー知井宮(現在の西出雲)が電化され、『やくも』は381系による運転となります。さらに『しんじ』を系統分割した急行『伯耆』が『やくも』に吸収され、伯備線の急行列車の運行はなくなりました。なお、伯耆大山―知井宮は山陰本線初の電化区間でした。

先に述べた通り、『やくも』は2024年春以降に新型車両273系が投入されることとなっており、近い将来381系は置き換えられることになっています。また、EF64も全検を今後は受けないことが発表されており、近い将来置き換え対象になるものと思われ、国鉄時代から続いた伯備線の景色が一変することとなります。

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