阪急電鉄が2000系、2300系を投入 2300系は特急仕様
阪急電鉄は2023年10月6日、2024年夏に新型車両2000系、2300系を投入すると発表しました。これまでの規則性に従い、2000系が神戸・宝塚線用、2300系が京都線用となります。
車体は阪急伝統のスタイルとマルーン塗装を受け継ぎつつ、前面には曲面ガラスが採用されるなど、これまでの阪急とは印象の異なる車両となる可能性がありそうです。
車内につても、マホガニー木目調の内装やゴールデンオリーブ色の座席など、これまでのデザインを踏襲しながら、仕切り板の半透明化などでより開放的な空間となり、先頭車両の車端部は片方の座席がなくなり車いすやベビーカーでの利用を考慮したレイアウトとなります。
この他、車いすスペースの手すりの増加、吊り手の色分けによる優先座席の位置表示、防犯カメラの設置など、バリアフリー化と安全性の向上が図られます。
また、京都線用の2300系は特急用としてセミクロスシート仕様となり、大阪方から4両目は既にアナウンス済みの座席指定サービス車両となります。
阪急電鉄では2013年より神戸・宝塚線用として1000系、2014年より京都線用として1300系を製造(阪急の用語では建造)してきましたが、11年ぶりのモデルチェンジとなります。
表示されない場合: 新型車両2300系・2000系を2024年夏より導入します
9300系はどうなる? 21年ぶりの京都線特急用新型車両 初年度は1編成のみ
阪急京都線では、特急用として現在一部の運用を除き9300系が使用されています。しかし、デビュー以来すでに20年が経過してそろそろ置き換えが噂される時期となり、座席指定サービスの導入に合わせて置き換えとなるのかが話題となっていました。
一部の新聞が報じた記事によると、2024年中に投入されるのは2000系、2300系とも各1編成ということで、長期的にはともかく、座席指定サービスの開始と当時に全車両の置き換えというわけではなさそうです。
現在京都線の特急(通勤特急、準特急を含む)は原則として9300系が使用されていますが、かつての6300系のように専属運用というわけではなく、不足分は一般車両が使用されることが前提で運用が組まれ、また検査時などは9300系の運用を一般車が代走することもよくあります。一般車の代走では座席指定サービスに支障をきたすため、2300系の投入はひとまずその不足分を充足するためと思われます。
座席指定サービスはすべての特急系統? 運用数は足りるの?
では、2300系の投入ですべての特急系統に座席指定サービスが提供されるのでしょうか?
9300系は2023年現在11編成が在籍しています。
現在の情報では、座席指定サービスの対象としてはっきりしているのは2300系のみで、9300系については触れられていません。
ただ、2300系1編成では、仮に限定運用を組んで座席指定サービス列車を絞ったとしても、検査や急な故障で代走時に混乱が起きる可能性があります。予備編成なしでこうした運用をするとも考えにくく、9300系にも座席指定サービスが提供される可能性は高いです。もっとも、座席指定サービスとはどんなサービスなのかは分かっておらず、2300系のイメージイラストでも該当車両は意図的なのか絶妙な位置で見えなくなっており、単に座席を確保するだけのサービスなのか、あるいは京阪のプレミアムカーのように外観、内装ともその他の車両と全く異なるものとなるのか、現時点では情報はなく続報が待たれるところです。
どちらにせよ、2300系の投入がひとまず1編成ということから、近いうちに9300系が特急運用を離れる可能性は低く、9300系に座席指定サービスが導入されたとして運用はどうなるのか、という点をまとめてみます。
2022年12月改正では、日中の特急運用として10本が運用されていますが、すべて9300系を充当すると残りが1編成だけとなり、検査入場時に予備編成が確保できないぎりぎりの運用となってしまうためか、2運用は一般車となっています。
ここに2300系が投入されれば、12本体制で10本運用となるため、日中に関しては全ての列車に座席指定サービスが導入できそうです。
また、朝ラッシュには、通勤特急、準特急のうちかつての10連増結編成の運用の名残で準特急3本が一般車、夕ラッシュには準特急11運用のうち10運用が9300系となっていて、9300系11本中10本が使用されるという代走が前提の運用が組まれており、こちらに関してはダイヤの変更や列車種別の変更、一部座席指定サービスのない特急系統の運行が見られる可能性があります。
いずれにしても、座席指定サービスはまだ情報が少なく、続報が待たれます。