57年の歴史に幕 近鉄の『鮮魚列車』 グリーンマックスから#30358でモデル化

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59年の歴史に幕 近鉄の『鮮魚列車』

三重県の宇治山田駅と大阪上本町駅を結んでいた近鉄の『 鮮魚列車』が、2020年3月のダイヤ改正で廃止されました。1列車貸切で休日以外は毎日運行され、三重県の海産物を大阪に届けるため1963年(昭和38年)から長年にわたって運行されてきた伝統のある列車でしたが、57年の歴史に幕を閉じることになりました。

この列車は、廃止直前のダイヤでは宇治山田駅を6:01に発車し、大阪上本町駅に8:58に到着するもので、伊勢志摩魚行商組合連合会に所属する会員以外は利用できないという特別な列車でした。

三重県北部は、温暖な気候とリアス式の静かな伊勢湾に面し、名産の伊勢えびを始め漁業が非常に盛んな地域です。この地域で取れた海産物を大消費地である大阪で販売するため、1950年代ごろからこれらの海産物や農産物を持って列車を利用する行商人が増え始めました。

しかし、行商人の増加に伴って、他の乗客から魚のにおいなどの苦情が寄せられるようになったことから、近鉄では専用の列車を設定することとし、1963年(昭和38年)のダイヤ改正で『鮮魚列車』として運転を開始しました。この列車を利用する人たちで組織されたのが、先の伊勢志摩魚行商組合連合会です。

最盛期には200人以上の組合員があり、天井近くまで大量の荷物を積み込んで輸送する光景も見られたそうですが、近年は組合員の高齢化による引退、輸送手段の多様化により利用者は年々減少、廃止直前には数名という寂しい状況でした。

利用不振に加え、長年鮮魚列車として利用されてきた専用車両2680系も車齢49年となり老朽化、廃車されることとなり、同時に鮮魚列車の幕も降ろすことになりました。

かつては各地で見られた行商列車

行商人が利用するいわゆる行商列車は、何も近鉄だけに限らずかつては日本全国でよく見られたものでした。

首都圏では、関東大震災をきっかけに郊外から都心へ向け野菜などの行商に向かう行商人が増加、やはり荷物の大きさや臭いで乗客から苦情が寄せられ、専用列車や専用車両が設定されるようになりました。

有名なのは京成電鉄の通称『 なっぱ電車』で、千葉県から野菜などを持って東京都へむかう行商人のための専用列車が1935年(昭和10年)から設定されました。この他、常磐線や成田線、外房線、内房線、総武線などでも、行商専用列車や専用車両が設定されたり、大勢の行商人の姿を見かけることができました。

この他、地方路線や地方私鉄でもかつては多くの行商人が利用していました。とくに有名だったのは、兵庫県内の山陰本線でしょうか。香住などの漁港で水揚げされた海産物を持って、観光客でにぎわう城崎の温泉街に向かう行商人の姿を比較的最近まで見ることができました。

しかし、道路輸送の発達や行商人の引退、こうした販売スタイル自体の衰退に加え、地方路線や地方私鉄では路線そのものもなくなったところもあり、次第に姿を消してゆきます。首都圏でも縮小が続く中、京成電鉄の『なっぱ電車』も1982年(昭和57年)に専用列車から専用車両へと変更。そして2013年のダイヤ改正で廃止されました。そして、限られた行商人しか乗れない列車として唯一の存在であった近鉄の鮮魚列車も、先に述べたように2020年3月改正で廃止となりました。ただし、一般の急行列車のうちの1両を専用車両とすることで、行商専用車両は健在です。

鮮魚列車の廃止後、一般列車の最後尾に連結される鮮魚運搬専用列車『伊勢志摩お魚図鑑』

グリーンマックスから#30358「さよなら鮮魚列車」が10月発売

グリーンマックスから、塗装済み完成品として「近鉄2680系タイプ(さよなら鮮魚列車)3両編成セット(動力付き)」が発売されます。

Download (PDF, 306KB)

最終運行をモデルとし、「さよなら鮮魚列車」と表示された運行標識板をステッカーで再現しています。なお、最終運行後、日を改めて撮影会などが予定されていましたが、コロナウィルス感染拡大のため中止となり、5月16日に高安検修車庫に廃車を前提として回送されています。

発売は、10月頃が予定されています。


グリーンマックス Nゲージ 近鉄2680系タイプ さよなら鮮魚列車 3両編成セット (動力付き) 30358 鉄道模型 電車

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