『やくも』で迷惑行為? 試運転中の381系に抱き着く写真が拡散 警察沙汰へ発展か

社会
スポンサーリンク

アマゾン タイムセール

人気の商品が毎日登場。

タイムセール実施中

スポンサーリンク

アマゾン タイムセール

人気の商品が毎日登場。

タイムセール実施中

『やくも』試運転で迷惑行為 停車中の車両へ抱き着く、飛び乗るなどか

一部のメディアで、撮り鉄とみられる人物の迷惑行為を捉えた写真が話題となっています。

報道によると、この写真は3月5日に伯備線江尾駅で撮影されたとみられ、停車中の列車に抱き着いたり連結器の上に乗るなどの行為が収められています。

SNSなどが情報源のため、どこまで信憑性があるかはわかりませんが、この日は後藤総合車両所を出場した381系3連が145系を従えて試運転が行われており、後藤―米子―江尾の往復運転が行われていました。写真の事態が起きたのは、江尾駅で折り返しのため1時間ほど停車していた間とみられ、現場に居合わせた人によれば、当初は人影がまばらだったものの、12時半頃に江尾駅に到着した列車からは撮影目的とみられるかなりの人が下車したということです。

撮影者が急増の『やくも』 JR西日本は「警察への相談も検討」

『やくも』は、2023年改正時点では全列車が381系で運転され、「国鉄型車両を使用した最後の特急列車」となっており、この数年撮影に訪れるファンが急増。これにより撮り鉄と思われる人物の迷惑行為も数々報告されてきました。

さらに、2024年4月6日に新型車両273系の営業開始が決まっており、381系は6月15日をもって原則運行を終了することがアナウンスされており、当日の381系も最後の検査を受けての試運転となっていました。

『やくも』の撮影を巡っては、かねてから地元住民などから苦情が出ていたため、JR西日本は「マナーや交通ルールを守ってほしい」とのコメントを出していましたが、今回の件に関し、報道機関の取材に対して「大変悪質で危険な行為であり、警察への相談も検討しています」としており、厳しい対応が行われる可能性があります。

撮り鉄迷惑行為 代償は一生消えない大きなものになる可能性も

いわゆる撮り鉄の迷惑行為については、近年世間でも話題となっており、最近で大きく取り上げられたのは、2023年6月3日に東北本線矢板駅付近で『カシオペア』を撮影しようと線路内に侵入した3人が、列車を緊急停止させた事件がありました。

この事件では、2023年11月30日付でこのうち2人が送検されたことは本ブログでもお知らせしました(よろしければ「『カシオペア』を止めた迷惑撮り鉄が書類送検 逮捕とは違うの? 今後の処分はどうなる?」もご覧ください)が、その後の続報によれば12月25日付で略式起訴されていたことが分かっています。

略式起訴とは、裁判所の判決によらず検察が一方的に罰金(金額が少ない場合は科料と呼ばれます)を課すもので、本人が事実を認めて反省している場合など、裁判するまでもない事案に対して行われます。罰金は刑罰の一種のため、支払えばそれ以上刑事責任を追及されない交通違反の「反則金」などとは違い、支払いを終えたとしても刑罰が消えることはありません。「犯罪者」としての前科が付き、資格の取得や就職にも大きな影響を及ぼす恐れがあります。軽い気持ちだったとしても、一生にかかわる大きな代償を背負うことにもなりかねません。

また、2023年10月22日に岐阜県内の東海道本線で、撮影の邪魔になるという理由で上下線を区切っていたロープを切断したとして、2024年1月12日に器物損壊の疑いで大学生2人と高校生1人の計3人が逮捕されました。このうち高校生については送検後不起訴となりましたが、大学生2人については実名報道の上2024年2月16日付でこちらも略式起訴となった模様です。

なぜ? 続く撮り鉄の迷惑行為

もっとも、この種の迷惑行為は近年増えたというものではなく、SNSの普及によって危険を顧みず「より良い写真が撮りたい」という欲求と、それらの行為を拡散しやすくなったという事情があると思われます(昭和のころは、ホームを降りて線路内で撮影、なんて行為は当然のように見られたもので、雑誌や新聞にもそのまま掲載されていました)。

さらに鉄道営業法では、線路内への立ち入りを禁じているもののその罰金額は1万円で、抑止効果がほとんど期待できないものであることも問題とされています。

209系1000番台 オレンジ帯
常磐緩行線用の209系1000番台のうち、同線から撤退の際に中央線快速の12両化に伴う車両不足のため1編成が中央線快速へと転出した 2024年1月には常磐線でこの車両を使用した「録音専用列車」が運行されたが、撮影しようとしたファンによる迷惑行為が目立ち、当該列車だけではなく関係線区で列車が遅延する事態となった JR東日本は「今後、本線を活用した録音専用列車の設定は難しくなりました」とコメントしている Wikipeida(JR東日本209系電車)より @Cfktj1596

ただ、いくら罰則を厳しくしても飲酒運転やスマホながら運転がなくならないように、この手の行為を罰則だけでなくすことはできません。結局のところ、一人一人の心がけに頼るしかないのが事実でしょう。

近年の撮り鉄迷惑行為により、それまではオープンで楽しめた趣味活動の範囲が次第に狭まっているのも事実です。迷惑行為は、自身の人生だけではなく、圧倒的多数のルールとマナーを守っている人たちにも大きな影響を与えます。このことを肝に銘じ、楽しい趣味活動を続けられるよう努力していきませんか。

タイトルとURLをコピーしました