羽田空港アクセス線とは 貨物線改良と新線建設で東京駅から空港まで18分

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羽田空港アクセス線が着工へ 東京駅―羽田空港が18分

JR東日本は、羽田空港と都心を結ぶアクセス線として計画されているいわゆる「羽田空港アクセス線」のうち、新たに線路を建設する東京貨物ターミナル-羽田空港について建設の認可を受けたと発表しました。既設区間の改良と合わせた総事業費は3000億円程度と見られ、2022年度に着工、2029年度の完成を目指すとしています。

今回の工事認可区間を含む羽田空港アクセス線の概要
JR東日本 ニュースリリースより引用

完成すれば、東京駅から羽田空港までは18分で結ばれ、現在乗り換えが必要な東京モノレール経由比べて10分程度の短縮となります。計画では、さらに新宿方面や臨海地区への延伸にも触れられており、羽田空港へのアクセスは将来さらに充実したものになりそうです。

羽田空港への鉄道アクセス輸送としては、1964年(昭和39年)に開業した東京モノレールと、1998年に開業した京急空港線の2路線が存在します。

しかし、東京モノレールは用地取得の問題から起点が浜松町駅という中途半端なものであり、京急空港線は直通する都営地下鉄を含めても東京駅や新宿駅といったターミナルを経由せず、急増する外国人など地理不案内な利用者にとっては決してわかりやすいものではありませんでした。2000年代以降は羽田空港の拡張と再国際化が進められた結果、羽田空港の利用者は急増し、羽田空港アクセス輸送再編の必要性が叫ばれていました。

これらを受け国レベルでも羽田空港アクセス鉄道の整備が取り上げられるようになり、2013年にはJR東日本が発表した経営構想において、羽田空港の鉄道アクセス改善が盛り込まれました。2015年には東京都も「優先的に整備する路線」として指定し、2019年からはJR東日本が着工の事前調査ともいえる環境影響評価に着手していました。

羽田空港アクセス線とは? どこからどこまでを結ぶ? 途中通るところは?

羽田空港アクセス線 事業区間概要
JR東日本 ニュースリリースより

さて、問題の羽田空港アクセス線、どこからどこまでを結び、途中どこを通るのでしょうか。JR東日本によると、羽田空港アクセス線は田町駅と羽田空港国内線ターミナルビル付近までの路線として計画されています。

区間は大きく分けて田町―東京貨物ターミナルの既存線改良区間と、東京貨物ターミナル―羽田空港の新規建設区間に分けられ、今回はこの新規区間の建設が認められました。

羽田空港アクセス線は、田町駅南方にある山手線の引き上げ線を撤去したうえで、東海道本線の上下線間に分岐、新たに建設されるトンネルでアンダーパスし、まずは新幹線大井車両基地に隣接する東京貨物ターミナル駅へと向かいます。

この区間は東海道貨物線と呼ばれる区間の一部で、これを羽田空港アクセス線に転用します。浜松町―東京貨物ターミナルは通称大汐線と呼ばれ、現在線路は休止中となっていますが、これを羽田空港アクセス線として複線で復活させることになっています。

田町駅付近の東海道貨物線(新幹線の手前側) 現在は休止されており、所によっては建築物もあるが、鉄橋など基本構造物はほとんど残っている
Wikipediayより

東京貨物ターミナルから川崎貨物ターミナルへは、地下トンネルが通じていますが(羽田空港島の西端、東京モノレールの整備場前―天空橋付近の地下を通っています)、これとは別に空港島の東側から入るトンネルを建設し、羽田空港第一・第二ターミナルビル直下の空港駅(京急駅の北側)へと到達します。さらに第三(国際線)ターミナルまでの延伸も予定されています。

羽田空港アクセス線 予想される運行ダイヤは?

各種報道によると、開業後の羽田空港アクセス線の運行形態・ダイヤは、下記のように予定されています。

  • 空港駅は1面2線の島式構造とし、15両編成対応
  • 東京駅からの所要時間は18分
  • 1日の運転本数は上下144本(約15分間隔)
  • 上野東京ラインを介して常磐・東北・高崎千方面との直通運転

田町駅付近の地下線が単線となる予定のため、ダイヤ的にはこれが精いっぱいというところでしょうか。

羽田空港アクセス線の将来 さらに2ルートが予定

羽田空港アクセス線は、もともと3ルートが計画されており、今回計画が発表されたのはそのうちの1つ「東山手ルート」と呼ばれるものです。この他、下記の2ルートが計画されています。

羽田空港アクセス線 臨海部ルート

東京貨物ターミナル駅付近に隣接する臨海高速鉄道りんかい線の車庫線と接続し、回送線を営業線化、東京テレポート駅付近でりんかい線と接続します。これにより、羽田空港―東京テレポート―新木場で直通列車を運行します。所要時間は20分程度が予定されています。

羽田空港アクセス線 西山手ルート

東京貨物ターミナルから品川駅付近に至る短絡線を建設し、品川シーサイド―大井町間でりんかい線に接続します。そこからは埼京線や新宿湘南ラインに乗り入れ、新宿までを結びます。羽田空港―新宿の所要時間は23分程度とされています。将来的には、新宿からは中央本線に乗り入れ、山梨・長野県方面との直通列車も構想されています。

既存路線 東京モノレールとの競合は?

羽田空港アクセス線が開業すれば、すでに存在している路線、特に東京モノレールとの競合が予想されます。

現在コロナ禍で航空需要は大きく落ち込んでいますが、長期的に見れば羽田空港の利用者はますます増大することが予想されており、東京モノレール・京急だけでは将来的にはアクセス能力の不足が指摘されています。

ピーク1時間当たりの輸送能力は、東京モノレールの11,000人、京急の14,000人に対し、羽田空港アクセス線の同輸送能力は21,000人と予想され、鉄道輸送力は1.8倍に増強されることになります。

また、東京モノレールは2002年にJR東日本の傘下に入っており、直接的な競合は起こらないものと予想されています。

JR東日本がどのような戦略プランを立てているのかわかりませんが、共倒れにさえならなければ、利用の選択が増えることはありがたいことです。今後利用者としては行先などを十分に考えた上で使い分けることになりそうです。

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