JR西日本が新型気動車DEC700を導入 在来車との違いや投入線区は?

JR西日本 DEC700車両のはなし
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JR西日本 新型の電気式気動車DEC700を導入へ

JR西日本は2021年6月25日、新型車両となるDEC700の導入を発表しました。

JR西日本の発表によると、新型のDEC700は電気式気動車とされ、概ね20年後を見据えた計画の中で、持続可能な鉄道・交通システムを構築することを目標とし、安全性や安全性・安定性・快適性の向上を目指した車両となります。また、電車と気動車のシステムを共通化することにより、メンテナンスの向上を目指します。

DEC700は、これらの要求にこたえるため各種実証実験を行うための車両で、1編成1両が導入されます。

DEC700「電気式気動車」 今までの気動車との違いは?

DEC700は、従来JR西日本が所有する一般の気動車とは異なり、ディーゼルエンジンを直接動力として用いる(機械式気動車)のではなく、ディーゼルエンジンで発電した電力をもとにモータを駆動させて走行(電気式気動車)します。JR北海道のHV100型やJR東日本のGV-E400系と同じ仕組みで、これにより電車と共通化できる部品が増加し、メンテナンスの向上を目指します。

また、今後の技術実験ではバッテリーによる駆動も予定されており、発電機とバッテリーによるハイブリッド式にも対応しています。

JR西日本 プレスリリースより

この他、運転台や機器類をユニット化することにより製造工程を簡略化し、コストの削減にも貢献しています。

ディーゼルエンジンで直接駆動するのではなく、エンジンで発電してモーターを動かす電気式気動車ないし機関車は、日本においては鉄道用ディーゼルエンジン技術がまだ未熟だった1950年代に国鉄で採用された例があります。特に機関車としてはディーゼル機関車の黎明期を支えたDF50がよく知られており、国鉄の無煙化計画に大いに貢献しましたが、その後機械式気動車と機関車の発達により採用例は長く途絶えていました。

しかし、電気技術の発展で電気機器の小型化軽量化が進むと、インバーター装置の普及で省エネが進んだこともあって1990年代以降は再び脚光を浴びるようになります。1993年登場のDF200はDF50以来の電気式ディーゼル機関車となったほか、2021年現在JR各社で製造される気動車は電気式が主流となっており、今後のローカル線のトレンドとなりつつあります。

DEC700 車体構造と性能は?

車体構造はJR標準の20mで、最高速度は100㎞/h、定員は90名(うち座席定員25名)となり、JR西日本がローカル線で運用しているキハ120形よりは一回り大型となります。前面は225系や227系にも似たスタイルで、こちらもコスト削減に貢献しているものと思われます。JRからの公式発表はありませんが、窓配置からもトイレは設置されているようです。また、座席配置はクロスシートの存在が確認されているようです。

ネット上の画像などからは、山陽本線基準で海側の窓が非常に少なくなっており、同じ単行運転を行う125系と比べても、窓の少なさが目を引きます。また、125系の定員110人台と比べても少ないことから、なんらかの試験装置を搭載していることも考えられますが、詳細は分かりません。

DEC700 投入線区と今後の量産は?

【川崎重工】EF210-301牽引 DEC700-1 甲種輸送 @須磨・西明石
DEC700は6月28日に兵庫県の川崎重工から新山口へと甲種回送された模様です その様子は続々とSNSや動画サイトへアップロードされています

DEC700は、JR西日本から発表のあった3日後の6月28日、兵庫県の川崎重工の工場から下関総合車両所新山口支所へと甲種回送されました。JR西日本の発表では、同所へ配属となり試運転、各種性能確認試験、将来に向けた各種技術検証を実施する予定となっています。

新山口支所という配属から、山口線や山陰本線での試験が予想されますが、スケジュールを含めて今後のについての発表はまだありません。また、一部報道によれば、今後の量産計画や車両の置き換えについても現時点ではないということです。

ハイブリッド式の気動車は87系『トワイライトエクスプレス瑞風』で採用されていますが、JR西日本の一般用気動車としては初めてとなることから、今後の車両投入計画や量産に当たってのデータ採取を行う試作的要素の強い車両と言えそうです。

※タイトル画像はJR西日本プレスリリースより

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