※2021年12月17日にダイヤ改正の発表がありました。「JRグループ 2022年3月12日ダイヤ改正を発表 内容のまとめ」も合わせてご覧ください
2022年春 JRグループダイヤ改正 実施や発表はいつ?
JRグループでは毎年3月にダイヤ改正を実施していますが、その内容について噂される時期となってきました。
JR東日本の発表により、2022年春の改正は3月に実施されることは確かなようですが、「来春改正」として様々な話題が出ている時期になっても、今年は情報が乏しい状態となっています。
例年の傾向によれば、春のダイヤ改正の発表は12月の第二または第三金曜日にされることが多く、2021年3月改正の発表は2020年12月18日金曜日(北海道のみ一足早く12月9日)、2020年3月改正の発表は2019年12月14日金曜日でした。
この例にならうと、2022年春のダイヤ改正の発表は、2021年12月17日金曜日か、あるいは12月10日金曜日が可能性として高そうです。
新しい情報があった場合は、随時追記していきます。
なお、毎年のことながら、本ブログでは推測や噂については取り扱わず、公式発表や報道機関の情報と、そこから読み取れる内容をお知らせします。
2022年春JRグループダイヤ改正 わかっていることのまとめ一覧
JR北海道 キハ261系とH100形を追加投入 『おおぞら』からキハ283系引退
JR北海道では、特急用としてキハ261系22両が投入されます。これにより、『おおぞら』で使用されているキハ283系の全車両がキハ261系へ置き換えとなります。『おおぞら』は、利用状況を踏まえて現在の5両編成から1両減の4両編成となります。
また、ローカル輸送用としてH100形を30両投入し、キハ40を置き換えます。根室本線根室―新得―釧路では全列車がH100形による運行となり、石北本線旭川―上川では24本中19本がH100形による運行となります。
JR北海道 新駅設置と利用状況が悪い駅の廃止
名寄本線に「名寄高校前」、学園都市線に「ロイズタウン」の2駅が開業します。名寄高校前駅にはすべての快速・普通列車(上下24本)が、ロイズタウン駅には全体の9割程度の列車が停車します。
その一方で、「極端にご利用の少ない駅」として、次の駅が廃止されます。
- 宗谷本線 歌内駅
- 花咲線 糸魚沢駅
- 函館本線 池田園駅 流山温泉駅 銚子口駅 石谷駅 本石倉駅
JR北海道 札幌圏での運行見直しや『北斗』接続改善
輸送状況を反映し、通勤通学需要の少ない土休日に10本程度の列車を削減します。学園都市線では、日中や夕ラッシュの運転本数見直しが行われます。
函館本線では、函館北斗駅での『北斗』の接続改善により、上下合わせて10本程度が最大20分程度の短縮となります(発表ではどの区間が短縮となるのかは不明)。
JR東日本 首都圏・新幹線を含めて減車・減便を実施
JR東日本は、2022年3月改正において列車の運行本数や両数を見直すことを明らかにしています。具体的な線区は明らかにされていませんが、JR東日本の発表によれば新幹線・在来線を問わずJR東日本管内の全エリアでが対象となる見込みです。2020年度のデータによれば、山手線が2018年比63%の輸送量にとどまっている他、埼京線や中央線、東海道線といった都心部を走る路線でも2018年比60%台にとどまっており、首都圏の運行見直しについても言及されています。
ただ、輸送量が回復した場合や混雑が見られる場合は、臨時列車を設定するなど柔軟に対応するということです。
JR東日本とJR九州は料金の見直し 『つばさ』は全車指定席へ 最繁忙期の新設も
JR東日本は、グリーン料金の値上げが行われます。
近年プレミアムクラスの車内設備を持つ列車の増加により、グリーン料金は複雑さを増していますが、JR東日本のグリーン料金は2002年の東北新幹線八戸延伸時に設定された廉価な料金を採用しているため、今回の値上げによりほぼ他のJR各社と同等水準となります。
なお、値上げはJR東日本管内のみを走る列車が対象で、他社と跨って運行される列車は対象外となりますが、北陸新幹線については上越妙高―金沢にも適用となり、ますます複雑の度を加えることとなりそうです。
山形新幹線『つばさ』は、利用状況を反映して全車両が指定席となります。また、新幹線と直通運転を行う『つばさ』と『こまち』について、新幹線と直通の場合と在来線区間のみの利用の場合に料金体系が異なっていましたが、全区間について新幹線と同等へ改められます。なお、在来線区間のみの利用については、席の指定をしない場合は特定料金が適用されます。
JR九州では、特急料金の見直しが行われます。
具体的には、例えば25㎞までの自由席特急料金が310円から500円に、75㎞越え100㎞までの自由席特急料金が950円から1200円へと値上げされます。指定席利用の場合は、繁忙期の加算額が530円から730円(一部の観光列車は940円)に変更となります。
これにより、例えば博多―長崎の指定席利用の場合、現行の2500円から2660円となり、繁忙期については2860円となります。
JR北海道、JR東日本、JR西日本では、現在の繁忙期、通常期、閑散期に加え、新たに最繁忙期が設定されます。JR東本の場合、最繁忙期の特急料金は繁忙期の200円増しとなり、閑散期に比べると600円の差が発生することになります。
JR東日本 新幹線に「準定期列車」を設定へ
JR東日本は、需要に応じて弾力的に運転日を設定できる「準定期列車」を新幹線に設定します。
これまでの臨時列車は、あらかじめ設定された日には実際の需要にかかわらず原則として運行されていましたが、準定期列車については、前後の列車の想定利用率が6割以上となった場合にその間に設定された準定期列車を運行するとし、逆に前後の列車の想定利用率が5割を下回る場合には運行が取りやめられる場合があります。
これは、コロナ禍で需要が当分の間不透明な状況を受け、 定期列車の比率を下げることで、柔軟にダイヤを設定することが目的で、2022年3月改正の時点では現行の定期列車30本程度が対象になると見られています。
JR西日本 秋改正に続き2022年改正でも減便へ 可部線では増結も
JR西日本は、2021年10月改正で京阪神を含めて127本の削減を行いましたが、2022年春のダイヤ改正においてもさらに減便を行う可能性を発表しています。
具体的に明らかになっている線区では、七尾線で平日上下54本のうち4本を廃止、4本が区間短縮となります。特急列車についても、上下2本が削減されます。
朝夕ラッシュの混雑が問題となっている可部線では、通勤時間帯を中心に現行の2~3両編成から4両編成へ増結されます。可部線では、近年利用客が大幅に増加。コロナ禍の中にあった2020年度でも混雑率が132%と全国4位となり、JRが混雑緩和を検討していました。この一方で広島圏や山口県内の山陽本線、山口線、美祢線などでは、一部列車の運転区間短縮や減便がある見込みです。
また、山陰地区では日中や夜間を中心に、山陰本線浜坂ー鳥取で4本、鳥取ー米子で区間便を含め11本、境線で6本、智頭線で1本の普通列車22本程度が削減されることが分かっています。
京阪神地区や新幹線についてはわかっていせまんが、2022年春改正では「通勤時間帯も含む本格的な減便に踏み込む」可能性があるということです。
JR西日本 関西圏の特急の一部を全車指定席に
関西圏で運行される特急列車の一部から自由席がなくなり、全車指定席となります。
対象の列車は『くろしお』『こうのとり』と、山陰本線京都口の特急列車で、車内改札などを簡素化し、経費削減に繋げることか目的ということです。
JR九州 西九州新幹線開業までは現行ダイヤを維持
JR九州では、2022年秋ごろに西九州新幹線武雄温泉―長崎が開業予定となっています。このため、西九州新幹線開業までは大掛かりなダイヤ改正を行わないことを発表しており、3月改正時点では現行ダイヤがほぼ引き継がれる見込みです。
西九州新幹線開業後は、新幹線にN700S系『かもめ』を投入、在来線区間となる博多―武雄温泉は『リレーかもめ』として運行体系が整理されることが決まっており、この時点で九州内は本格的なダイヤ改正となりそうです。